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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

パナの高齢者自立支援機器が人手不足を救う

パナソニック エコソリューションズ社は昨日、
「自立支援型起立歩行アシストロボット」と
「みまもりシステム」を発表しましたが、
それについて考えてみました。

国立社会保障・人口問題研究所によると、
2025年には、75歳以上人口が2、178万人、
全人口の18、1%にのぼるといいます。
また、厚生労働省は、25年に認知症の高齢者が、
470万人になると試算しています。
それに対して、介護職員数は、約100万人不足すると
見られています。

介護人材の不足にともなって、課題となっているのが
高齢者の自立支援です。

「自立支援型起立歩行アシストロボット」は、
高齢者の起立、着座、静止の状態を検知し、
足りない力をモーターでアシストすることにより、
ベッドからトイレまでの移動をサポートします。
「みまもりシステム」は、ベッドの下にセンサーをとりつけ、
被介護者の呼吸数や体の動きから異常を読み取ります。

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※パナソニックの「自立支援型起立歩行アシストロボット」

「自立支援型起立歩行アシストロボット」を使えば、
被介護者が寝たきりにならず、ベッドからトイレへと
自力で移動できるようになります。
「自立支援型起立歩行アシストロボット」は、
自力で動くことのできる高齢者を支援するとともに、
介護者の負担の軽減にもつながります。
介護費の増加による財源逼迫にも効果をもたらすでしょうね。

また、認知症の高齢者が増えるにつれ、介護施設や自宅などで、
徘徊による転倒事故が増える傾向にあります。
あるいは、夜間の体調の急変などもあります。
それらにきめ細かく対応しようとすれば、介護者の負担が増加する。
「みまもりシステム」を活用すれば、要注意高齢者の体調を
遠隔から見守ることができるほか、
離床行動を察知して、徘徊を事前に検知することができるのです。

世界の先進国はいま、高齢社会に向かっています。
そして、同時に深刻な人材不足に悩まされています。
人手不足の介護現場にロボットを導入する。
これは、大きな切り札となりますよね。

政府は、2013年を介護ロボット元年と位置づけ、
「ロボット介護機器開発5か年計画」を発表しています。
日本が得意とするロボット技術を、高齢化という外部環境が
後押しする格好です。
ここに大きな商機があるのは、いうまでもない。
ロボット大国といわれる日本が、高齢先進国に何を発信できるか、
世界に存在感を示すチャンスでもありますね。

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