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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

日産の「稼ぐ力」はまだ伸びるか

日産自動車は9日、4~12月期の純利益が前年同期比24%増の
3388億円に増加したと発表しました。
米国市場における販売拡大と円安がその要因です。
また、2015年3月期の連結純利益は前期比8%増の
4200億円になる見通しだと発表しました。
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自動車メーカーは、新設計手法「モジュール化」によって、
コスト削減と商品力向上の両立を狙っています。
トヨタのモジュール化は「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」、日産のそれは、「CMF(コモン・モジュール・ファミリー)」、
フォルクスワーゲンは「MQB(モジュラー・トランスバース・マトリックス)」です。

モジュール化において、3社のなかで一歩抜きんでているのが、日産です。
トヨタは、次世代「プリウス」が「TNGA」第1号になりますが、
発売開始は15年度です。
フォルクスワーゲンは、「MQB」生産を進めているものの、
必ずしもはっきり効果が出ていないといわれます。

日産の新車「キャッシュカイ」、「ローグ」、「エクストレイル」の3車種は、
「CMF」の“産物”です。
3車種は、いずれも販売台数を伸ばしています。
欧州の「キャッシュカイ」は22%増、米国の「ローグ」は16%増です。
「エクストレイル」は中国では7倍、日本では74%台数が拡大しています。
ちなみに、「エクストレイル」は中国の「カー・オブ・ザ・イヤー2014」を
獲得しました。
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14年のルノー・日産のグローバル販売台数は、昨年の過去最高の826万台を
上回る847万610台で、5年連続最高を更新しました。
台数が増えれば、「CMF」のメリットはいっそう大きくなります。

このほか、日産は、2014年4月から、「研究開発」「生産技術・物流」「購買」「人事」
の重点4機能で、ルノーとの「一体運営」にも乗り出しています。
「CMF」がモノづくりの大改革とすれば、これはマネジメントの大改革です。
「CMF」と「一体運営」によって、「稼ぐ力」が高まるのではないでしょうか。

現に、今期の連結純利益が前年比8%増加して4200億円が見込まれているのは、
その兆候といっていいでしょうね。

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