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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

底の見えないシャープ?底を打ったソニー?

シャープの経営再建計画が16日、明らかになりました。いよいよくるところまできた感がありますね。

報じられているように、シャープは、2015年3月期の連結決算で最終赤字が2000億円を超える見通しで、銀行側から抜本的な改革案を求められています。シャープが示した再建計画案には、国内で3000人規模、海外で2000人規模の希望退職者を募るほか、大阪市の本社売却など大規模なリストラ策が盛り込まれています。いったい、何度目のリストラ策なんでしょうか。

主力の液晶事業は、スマートフォンなどに使われる中小型パネルを生産する亀山工場などを本体から切り離し、産業革新機構に出資を依頼して分社化する方針が出されています。このほか、液晶テレビを生産する栃木工場は閉鎖が検討されています。

液晶事業は、シャープの売上高の約3分の1を占める主力事業です。なかでも、中小型液晶は、シャープの営業利益の7割から8割を稼ぎだしています。ところが、日立、東芝、ソニーの中小型液晶事業の統合により生まれたジャパンディスプレイなど国内外の競合他社との競争にさらされ、利益率を下げてきました。

シャープはもともと、「酸化物半導体(IGZO)」など、世界有数の技術で液晶技術をリードしてきました。中小型液晶事業が分社化されれば、シャープの手を離れる可能性もあります。果たして、切り離すことが経営立て直しにつながるのかどうか。むずかしい選択を迫られています。

一部報道によると、社長の高橋興三さんは報酬を事実上ゼロにすることが伝えられていますが、かりにもそうだとすれば、シャープ開闢以来の出来事といえます。経営再建中とはいえ、シャープはれっきとした一部上場企業です。上場企業のトップの報酬がゼロというのは、果たしてどうなのか。

これじゃあ、一丸となって経営再建にのぞまなければならないときに、社員のモチベーションは上がりようがありませんね。

シャープの経営再建は依然、先行き不透明で、まだ底が見えていない。出血が止まっていないといっていいいでしょう。

翻って、シャープとともに、日本の電機メーカーの“負け組”ソニーはどうでしょうか。少しばかり、明るい兆しが見えてきたようです。相次ぐ構造改革を経て、15年3月期の営業損益は従来の赤字予想から200億円の黒字になる見通しです。社長の平井一夫さんは、今期中に構造改革をやりきり、来期以降の業績復活を目指すといっています。
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平井さんはまた、2月18日、本社で開かれた経営方針説明会で、15年度からの「第二次中期計画」を発表し、「17年度にROE10%以上、連結営業利益5000億円以上」の目標を掲げました。

また、エレクトロニクス事業については、分社化推進を打ちだしました。「各事業を順次分社化し、より事業体としての自立性を高めた経営をしていきたい」と、平井さんはいいます。

シャープは、一度は回復の兆しを見せたものの、ふたたび、経営難に陥りました。一方のソニーは赤字が続き、上場来の無配に陥ったものの、一連の構造改革を通じて、数字の上では、それなりの改善成果が見えてきました。

いまだに底の見えないシャープに対して、ソニーは一応、底を打ったということができるのではないでしょうか。明暗が分かれたといっていいでしょう。

シャープ、ソニーの両社は、戦後の日本経済をリードしてきた技術企業です。その両企業がなぜ、これほどまでの経営難に陥ったのかはじっくり検証してみる必要があります。また、シャープとソニーの明暗の理由についてもいま一度、考えなければいけないでしょうね。

あえていえば、ソニーはゲームのほか、映画、音楽のコンテンツ、さらにソニー銀行、ソニー生命など、それなりの安定的な収益源があります。また、C-MOSやセンサーなど半導体分野も下支え役を担っています。

対して、シャープは液晶パネルの赤字が続き、太陽光発電システムもいまや苦戦しています。いまや収入源が見当たりません。次の戦略も見えてきません。シャープの現状はなかなか厳しいと思いますね。

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