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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

パナが蓄電池を海外販売する理由

パナソニックは、オーストラリアの電力小売り会社とパートナーシップを組み、年内に蓄電池の実証実験を開始するとともに、住宅用蓄電池システムをオーストラリアとニュージーランドで販売します。パナはなぜ、海外に目を向けたのでしょうか。

住宅用蓄電池システムは、日中に太陽光発電システムが発電した余剰電力を貯めて、住宅のピーク電力需要時に効率的に電力を供給します。太陽光発電と蓄電池をいっしょに使うことで、“エコに、お得に”電気を使うことができます。

蓄電池はこれまで、価格が高いことから家庭用より産業用途が主流だったのですが、その流れが変わろうとしています。まず、蓄電池の価格が下がっています。先日、テスラが発表した据え置き型蓄電池は、他社製品の半額以下の36万円から42万円の価格が話題となりましたよね。

もう一つの理由は、日本やドイツのように電気料金が値上がりする一方で、電力会社が家庭から買い取る電気の価格が下落する傾向にあることです。

そうなると、太陽光で発電した電気は、売るよりも自分で使うニーズが高まると見ていいでしょう。関連メーカーは、太陽光の自家消費が増えることに目をつけ、家庭用蓄電池に活路を見出そうというわけです。

太陽光発電システムは、今後、アジア太平洋地域で拡大するといわれます。パナソニックは、いち早くオーストラリア、ニュージーランド市場に参入し、住宅用蓄電池システムをまるごと受注しようとしているんですね。

パナソニックは、2015年内にオーストラリア首都地区などで太陽光発電システムの既設住宅に住宅用蓄電池システムを設置して実証を行う計画です。オーストラリアは、800万世帯に対して140万世帯に太陽光が普及しているといわれます。世界でもっとも高い普及率といえます。パナソニックにとって大きなビジネチャンスになるのは間違いないでしょう。

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