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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

東京モーターショーは盛り上がるか

東京モーターショーが29日の開幕を前に、東京都江東区の東京ビッグサイトで報道関係者に公開されました。目を引くのは、なんといっても自動運転車と燃料電池車です。

まず、トヨタは、昨年12月発売のFCV「ミライ」からさらに進化した燃料電池車「FCV PLUS」を出展しました。自宅に駐車しているときは発電装置として使うことができ、つくった電気をほかのクルマや建物にも供給できます。
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ホンダは、2016年3月発売予定の燃料電池車「CLARITY FUEL CELL(クラリティ フューエルセル)」を初公開しました。燃料電池スタックや発電システムなどを大幅に小型化し、世界で初めてセダンのボンネット内に集約。3分間で水素をフル充填でき、約700キロ走れます。
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日産は、自動運転車の試作車「IDSコンセプト」を披露しました。交通ルールを理解した人工知能が、道路や交通状況、道路標識などを正しく理解し、その先の状況を予測しながら、スムースな自動運転を行います。また、人工知能がドライバーの運転のクセを学習し、自動運転時にはそのクセを反映して走行します。
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「2020年までに高速道路や市街地を走行できる自動運転車の商品化を目指します」と、日産社長のカルロス・ゴーンさんは語りました。

それから、マツダは、ロータリースポーツコンセプト「RX-VISION」を出展しました。現在、ロータリーエンジンを開発しているのは、世界で唯一マツダだけです。
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各社トップによるスピーチを聴くため、各企業の出展ブースには百人を超える人たちが集まっていましたが、なかでも人だかりができていたのは、独フォルクスワーゲングループのブースでしたね。フォルクスワーゲングループ取締役のヘルベルト・ディース氏は、「VWは過ちを犯しました。心よりお詫びします」という謝罪からスピーチを始めました。
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違法ソフトウエアにより排ガス規制を不正に逃れていた問題から、VWは今回、日本市場に投入する予定だったディーゼル車の出展を見送っていますが、ブースには、世界ラリー選手権「WRC」参戦車両、EV、プラグインハイブリッドなどが展示されています。

また、スピーチ後、「VWは再び、世界ナンバーワンに返り咲きますか」という記者の質問に対して、「ナンバーワンはいまは考えていない。大事なのは信頼回復です」と、ディース氏は答えました。

東京モーターショーには、世界11か国から計160社が参加しています。若者のクルマ離れ、国内市場の低迷がいわれるなかで、ショーを盛り上げていけるかどうか。

私の印象では、11年の前回および13年の前々回に比べて、海外メディアも多く見られ、少しにぎやかさが戻ってきたように思いますね。なにしろ「3・11」後の前々回は会場が閑散としていましたよ。前回は、“六重苦”の影響が続いていて、メーカーは青息吐息でしたからね。

さて、今回の“客の入り”はどうでしょうかね。自動車分野は、日本の戦略産業だけに、盛り上がるかどうか。

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