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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

モーターサイクルスポーツに明るい兆し

日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)によると、MFJの発行するライセンス会員が、2015年、26年ぶりに増加したという。これは、国内二輪業界にとっては、珍しく明るいニュースではないでしょうか。

MFJのライセンス会員には、「競技会員」と「エンジョイ会員」があります。競技ライセンスは、本格的に昇格やチャンピオンシップを競う競技会に参加するライセンス。エンジョイライセンスは、競技会には出られませんが、MFJ承認大会に参加するライセンスです。
昨年は、競技会員が前年比102%の1万4994人、ライセンス会員は同127%増の3002人になった。

なぜ、増えたのでしょうか。
MFJは、増えた原因の一つとして、ライセンス料金の値下げをあげます。
昨年4月に、エンジョイライセンスの申請料金を、3350円から2300円に値下げしたんですね。これは大きかったようです。
さらに、マシンの充実があげられます。250ccに、魅力的ないいマシンが出てきたことが大きいようです。すなわち、ヤマハの「YZF-R25」、カワサキの「Ninja 250SL」などですよね。

いい商品が出てくると、やっぱりお客さんはちゃんと買って乗るということなんですな。

ほかにも、理由はありそうですね。
例えば、ライセンス会員の増加とともに、レースの観客数も増えているとようです。昨年7月に行われた世界選手権の鈴鹿8時間耐久ロードレースは、12万1000人と、前年比109%の伸び。10月に行われた同MotoGP日本グランプリは、8万5000人強と同122%の伸びです。
人気選手が出場するなど注目されたレースということもあったのでしょうが、観客数が増えれば、会員数も増えますわね。
少しずつ、デフレ脱却というか、遊びに回るお金が増えているのかもしれません。

この流れに乗って、MFJは今年、MFJカップシリーズに「JP250」クラスを新しくスタートしました。
250ccですから、年少者や女性からベテランライダーまで多くの参戦が期待できるクラスで、ロードレースの底辺の拡大、新規参入者増加の狙いがあるわけですよ。
女子中学生、女子高生などの注目ライダーもいるようです。

もちろん、二輪車の国内市場全体が縮小するなかで、手放しには喜べません。それでも、モーターサイクルレースが活性化しているというのは、明るいニュースには間違いありませんね。これがバイクの復活につながれば、それこそ二輪車メーカーはバンバンザイでしょう。

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