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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

ホンダ「NSX」国内年間販売目標100台

ホンダは、1990年の発売以来、26年ぶりにスーパースポーツカー「NSX」を全面刷新し、国内で発売します。06年の生産終了以来、販売されるのは10年ぶりです。
今日、発表会が開催され、受注を開始しました。
ちなみに、2370万円です。ウーンですよね。

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※新型NSX

「NSX」といえば、初代は「日本初の本格的スポーツカー」といわれ、ホンダの〝顔〟でした。価格は当時日本車最高価格の800万円。
前社長の伊東孝紳さんが開発に携わり、量産車として世界初のオール・アルミニウム・モノコック・ボディを採用したことなども知られていますね。

新型「NSX」の開発は、日米のホンダの研究所の合同チームで開発が進められました。開発責任者は、ホンダR&Dアメリカのテッド・クラウスさん。生産するのは、米・オハイオ州の専用工場です。私は、昨年暮れ、ホンダのオハイオ工場を訪れましたが、その際「あれが『NSX』を生産する専用工場です」と教えてもらったのが思い出されます。
生産責任者はホンダ・オブ・アメリカ・マニュファクチャリングのクレメント・ズソーザさんです。二人とも、過去に日本で、しかも社長の八郷隆弘さんと一緒に働いていたことがあったといい、八郷さんとは旧知の仲とか。

「NSX」は、普通のクルマではありません。排気量3.5リットル、V6ツインターボエンジンと3モーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載、9速DCTという、まさにスーパースポーツカーです。開発や生産には極めて高い技術が必要ですし、何より、ホンダの精神性が求められます。

ホンダらしさの権化のような「NSX」を、米国で生産することに抵抗はなかったのでしょうかね。
ホンダは1982年、日本の自動車メーカーとして初めて、米国に自動車工場を設けて現地生産を開始した経緯があります。ホンダジェットも米国で生産しています。
まあ、その意味で、社内に国内生産に対するこだわりは薄く、メインマーケットである米国で生産することに対して、抵抗はないんでしょうね。
八郷さんは、「栃木の研究所のメンバーとアメリカの研究所のメンバーは、同じチーム、仲間です。米国で生産することについて、社内でもめるということはなかった。むしろ、アメリカでやってみて、それを次のステップにつなげていくことのほうが大きい」とコメントしましたね。

発表会の席上、ズソーザさんは、オハイオ州の「NSX」の専用工場には、
「常識に挑戦し、夢を追い続けることでのみ、我々の未来は存在する」
という、本田宗一郎の言葉が掲げられていることを紹介しました。宗一郎のスピリットは、30年以上の時を経て、しっかりと米国に根付いているというわけですね。

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※発表会の様子

国内は年間販売目標100台とか。
誰が買うのか、何台売れるのか、採算性は……といった問題は度外視し、「エイヤッ」とやってしまう、一種の“遊び心”こそ、ホンダらしさということでしょうかね。

スーパースポーツカー「NSX」の復活は、自動車業界全体にとっても、明るいニュースといえるでしょうね。

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