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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

プレミアムフライデーは成功するか

機が熟したともいっていいかもしれません。ようやく時代が追いついてきた感があります。

月末の金曜日、仕事を午後3時に切り上げて余暇時間を充実させる「プレミアムフライデー」がいよいよ今日からスタートしました。

仕事を早めに終わらせて帰れるとしたら、どんなことができるか。

百貨店業界や飲食店業界は、ちょっと贅沢な週末グルメ、週末限定をうたう商品の企画、タイムセールの実施など、さまざまな商品やサービスを企画しています。

旅行業界やホテル業界は、金曜の終業後に出発できるツアーやホテルステイなど、週末専用のお得なプランを用意しています。

このほか、語学教室や音楽教室、カルチャースクールなどは、週末の自分磨きのためのメニューを充実させたり、エステやスポーツジムは、週末を充実させるイベントを企画したりしています。

振り返ってみれば、これまで幾度となく、余暇の充実に向けた施策が打たれてきましたが、成果をあげた試しはありませんでした。

なぜでしょうか。余暇に対する人々の意識が十分に育っているとはいえなかったからです。仕事と余暇に関する調査では、仕事重視派が半数近くを占め、余暇重視派は少数に過ぎませんでした。

ところが、時代は変わりました。成長至上主義が限界を迎え、成熟社会のあり方が問われるようになるにつれ、人々はオンの充実だけでなく、オフの充実に目を向けるようになったんですね。

働き方改革の影響も大きいですね。フレックス制度や在宅勤務など、メリハリのある自律的な働き方が求められるようになり、これまでの働き方に対する常識は大きく変わるとともに、人々は自分時間を大切にするようになりました。

ここまでくるのに、ざっと50年かかりました。

レジャー志向が高まり、余暇に目が向けられるようになったのは、昭和40年ころといわれていますからね。長い道のりです。

「プレミアムフライデー」によって、月に一度、豊かな時間を過ごす人が増えれば、経済の好循環が生まれます。

「失われた20年」の暗さや閉塞感から抜け出し、時間のゆとりや心のゆとりをもつためにも、「プレミアムフライデー」の意義は小さくないといえそうですね。

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