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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

東芝の臨時株主総会、株主が一番聞きたかった言葉とは

東芝の臨時株主総会の話です。


株主が一番聞きたかったのは、謝罪やお詫びの言葉ではありません。

3時間30分にわたる臨時株主総会の席上、いくらたっても、経営側からその言葉が出てこないことに、会場からは苛立ちの声があがりました。

東芝の臨時株主総会が30日、千葉市の幕張メッセで開催され、経営側が求めた半導体事業の分社化が承認されました。これによって、4月1日、新会社の「東芝メモリ」が発足します。

東芝は、「東芝メモリ」の株式の過半を2017年度中に売却し、その利益で米原子力事業の巨額損失の穴埋めを目ざします。

昨日、原子力子会社のウエスチングハウス(WH)が米連邦破産法11条の適用を申請したことにともない、東芝は、2017年3月期の連結最終赤字が1兆100億円になる見通しだと発表したばかりです。

稼ぎ頭の半導体事業の分社化、売却は、東芝存続の切り札です。

午前10時の臨時株主総会の開催を前に、会場には朝早くから多くの株主が足を運びました。

総会の冒頭、議長を務めた社長の綱川智氏は、「度重なるご迷惑、ご心配をおかけしておりますことをお詫び申し上げます」と株主に謝罪しました。つづいて、WHが米国での原発建設で巨額損失をだした経緯を説明し、損失を穴埋めするため、半導体事業を売却することに対して、株主に理解を求めました。

当然のことながら、株主からは、経営陣への厳しい批判や意見が相次ぎましたね。

「WH買収は経営判断の誤りではなかったのか」「破綻の原因を説明してほしい」「メモリ分社後の半導体事業への影響を説明してほしい」といった質問や要望のほか、「役員の皆さんはどれだけの覚悟をもってこの場に臨んでいるのか」といった役員に対する批判の声も相次ぎました。

それに対して、綱川社長は、謝罪と同時に、「責任をもって再生に向けて取り組んでいきます」と答えましたが、そうした杓子定規な答えでは、到底、株主は納得できません。

株主が聞きたかったのは、何か。ズバリ、再建に向けた経営陣の覚悟ですよね。

3時間30分にわたる臨時株主総会の席上、綱川氏をはじめ、役員からは、再建に向けた説明はあったものの、残念ながら、“魂”のこもった決意はついぞ聞こえませんでした。

いらいらを募らせたある株主は、「ハッタリでもいいから、大きな花火を打ち上げる人はいないのか」と怒りの声をあげました。

まあ、過去に「お公家」集団といわれたように、ハッタリをきかせられないのが東芝の企業風土とはいえますがね……。

また、「血判状をつくるくらいの気持ちでやってほしい」という厳しい意見もあがりました。

午前10時にはじまった臨時株主総会は、午後1時30分、無事、幕を閉じましたが、果たして株主を納得させられる総会だったといえるのかどうか。

そんなわけですから、今日の臨時株主総会で、経営側と株主の間に強い信頼関係が築かれたとはいえないのではないか。

今後、東芝は、経営トップの強い覚悟とステークホルダーのサポートなくして、山積する問題を乗りこえることができません。

臨時株主総会での株主の苛立ちは、これからの東芝の行方を暗示していると思えてなりませんが、どうでしょうかね。

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