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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

ホンダ新型「N-BOX」、満を持して発表

ホンダは、ついに、そしていよいよ「N-BOX」をフルモデルチェンジし、満を持して8月31日に発表します。

新型「N-BOX」:ホンダ提供

「N-BOX」は、昨日発表された2017年1月から6月までの国内新車販売の車名別順位(軽含む)で、2位のトヨタ「プリウス」を抑え、首位を獲得しました。軽自動車がトップになるのは3年ぶりだったんですね。

「N‐BOX」は、すでに発売から5年以上を経た、いわゆるモデル末期です。にもかかわらず、昨年度の売り上げ台数がトヨタ「プリウス」に次ぐ2位。昨年12月以降4か月連続首位獲得。さらに今年の上半期トップですから、その人気は驚異的です。

8月末発表の新型「N-BOX」の目玉は、“安全”。ドライバーをサポートする「ホンダ・センシング」技術の全タイプへの標準装備です。むろん、ホンダの軽としては初めて。消費者の安全性への関心は高まっているとはいえ、思い切った決断に出たものですよね。

“安全”が商売にならないといわれた90年代を知る者としては、まあ隔世の感ですが、これはいまや、よくやったというよりは、当たり前の取り組みですよね。

ホンダ・センシングの機能を具体的に説明すると、衝突軽減ブレーキ、誤発進抑制、歩行者に近付き過ぎないよう制御する歩行者事故低減ステアリング、車線からはみ出さないようにする路外逸脱抑制、アクティブ・クルーズ・コントロール、車線維持システム、先行車発進お知らせ機能、標識認識機能です。

加えて、夜間走行の際に対向車などを検知してハイビームとロービームを自動で切り替える「オートハイビーム」機能、さらに、ホンダ初採用の技術として、後方誤発進抑制機能を搭載します。これだけ揃えば、もう、ほとんど“レベル2”の自動運転に近いですよね。

今回、「N-BOX」は、プラットフォームを含む構成部品の約9割を見直し、現行比約150kg軽量化。新しく約70kgの装備を追加して、合計80kgの軽量化を達成したといいます。いささか信じがたい数字ですよね。

「N-BOX」は、もともと女性をターゲットにしていましたが、新型「N-BOX」もその流れを継承する。ウリは、助手席の「スーパースライドシート」です。助手席シートが、前後に57センチもスライドする。


新型「N-BOX」のスーパースライドシート:ホンダ提供

例えば、運転席の後ろに座らせていた子どもが、ジュースをこぼした!という緊急事態。助手席のママが座席を後ろにスライドすれば、ぐっと後部座席に寄り、子どもの口元にまで手が届く。これは、子育てママは助かります。さらに、後部座席に乗り込んだあと、ミニバンのように、そのまま運転席に移動できる。雨の日など、いったん外に出て運転席のドアまで回り込む必要がないことは、ママにはありがたいでしょうな。

「N-BOX」は、昨年12月に累計販売台数がホンダ史上最速で100万台を突破しました。冒頭でも触れたように、いまだに国内販売首位を守るクルマを、フルモデルチェンジする。いったい、どんな結果が待っているのか。

気になるのは、価格設定です。価格が「軽」の域を超えては、消費者はついてこないかもしれませんからね。

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