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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

東芝の3社分割は〝吉〟と出るか

東芝が主要事業ごとに会社を3分割する計画を発表しました。日本の大企業が会社を完全に分割するのは、例のないことです。2015年の不正会計発覚以降、迷走を続けてきた東芝は、これを機に生まれ変われるか。創業140年の名門企業は活路を開くことができるでしょうか。

東芝社長の綱川智氏は12日のオンライン記者会見で、「それぞれの事業が新しい企業風土で成長するチャンス。企業価値を最大化できる最善の道」と、3社分割について説明しました。

発電システムや交通システム、エレベーターなどを扱う「インフラ社」、パワー半導体やハードディスクなどを扱う「デバイス社」、残る東芝本体が半導体大手キオクシアホールディングスの株式を管理する会社になる計画です。

これまでも、電力会社や自治体などと長期の事業を行う「インフラ事業」、短期の市況に左右される「デバイス事業」は、経営の時間軸が異なることから、一手に舵取りするのはむずかしい状況にあったのは確かです。

分割案は、来年開く臨時株主総会で承認を得たうえで準備が進められ、23年度後半に分離する2社の上場完了を目指すことになりますが、分割して企業規模が小さくなる中で、それぞれの会社が競争力を高め、成長を実現できるかどうか――。

「基礎研究などは課題になる」と、綱川氏は会見で述べました。

実行に移すにしても、さまざまな問題をクリアする必要があります。まずは、臨時株主総会で会社分割が承認されるかどうかですが、かりにも否定されれば、東芝の立て直しは一からやり直しになります。いかにして株主の理解を得ていくのか。今後の最大の焦点といえるでしょう。

また、ご存じの通り、1875年創業の東芝は、140年の歴史を持つ日本の老舗企業の代表格です。国内初のカラーテレビの開発、世界的にヒットしたラップトップパソコン「ダイナブック」など、数々のヒット商品を生み出してきました。

家電から原子力まで幅広く手掛けてきた「総合電機メーカー」としての世界的知名度もあります。

分割されれば、歴史ある企業としてのイメージが失われることへの懸念も否定できないでしょう。

会社分割を事実上の東芝「解体」とする声もありますが、それに対して、綱川氏は「解体ではなく、未来に向けた進化」と説明しました。

東芝が、未来に向けて進化できるかどうか。まずは、円滑な移行に向けた準備を進め、株主の理解を得るところから始めなければならないのは確かです。

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