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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

日産のEV商用車、いよいよ本命!?

日産は、EVの商用車「e-NV200」を発表しました。
スペインで生産し、欧州では6月、国内では10月に発売予定です。
EV
といえば、「日産リーフ」が有名ですが、本来、EVは商用車向きです。
ようやく商用車が出たか、という印象を受けましたね。

なぜ、EVが商用車向きなのか。
副社長の片桐隆夫さんは、今日の発表会の席上、
「走行距離を含め、車の使い方が、ある程度限定される商用車こそ、
EV
が得意とする分野だ」と、強調しました。
「商用車での電気自動車のポテンシャルは、十分に高い」というのです。

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※説明に立つ副社長の片桐隆夫さん

例えばホンダは、10年12月、

商用車として、電動二輪「EV-neo」を発表しました。
郵便や新聞、ピザなどの配達の用途を見込んだものです。
EV
は、航続距離が限られます。
その点、配送などに使う商用車は、同じコースを回ったり、
移動範囲が限られるため、航続距離が短くても、大きな問題はありません。

これは、四輪も同じです。
日産は、「e-NV200」の用途として、荷物の集荷配送車や、
ネットスーパーの配送車、小売店回りの営業車、
文書配送車などを見込んでいます。
一度充電すれば、185~190km走行できますから、
配送に関する用途は、ほかにもいろいろ見込めますよね。
商用車は、使用時間も、だいたい決まっていますから、
基地に充電器を設置すれば、計画的に充電することも可能です。
ほかにも、揺れない、静か、排ガスが出ないなどのEVのメリットをいかし、
ペットのトリミングサロンの送迎などの用途も考えているといいます。

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※充電ポートに接続された「e-NV200」

日産の電気自動車、「日産リーフ」は、

当初予定されたほど、売れていません。
いまだに、世界販売台数は11万5000台ほどです。
ハイブリッド車に比べると、普及率は、圧倒的に低い。
日産社長のカルロス・ゴーンさんは、昨年1月、
EV
の販売不振について「失望している」と語ったほどです。
航続距離が短いうえ、充電インフラが整っていなかったこと、
価格が高いことなどが、大きな原因と考えられます。

しかし、商用車なら、決まった場所で充電すればいいわけですから、
航続距離とインフラの問題は解消します。
価格から見ても、トータルコストを考えれば、
ユーザーにメリットをもたらすことができるといいます。

国内で、EVが巻き返すチャンスがあるとするならば、
商用車市場からではないでしょうかね。

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