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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

成田空港・LCC専用ターミナルへの期待

訪日外国人旅客者が、年末には1200万人を超える見通しです。
2003年、小泉純一郎元首相が「ビジット・ジャパン」キャンペーンを
立ち上げた当時、訪日外国人旅行者数は523万1000人だったことを考えると、
その数は3倍以上、順調に伸びているといえます。

問題は、これから先です。
政府は、五輪が開かれる2020年に年間2000万人を目標としていますが、
それには、これまで以上の努力が必要なことはいうまでもありませんね。

現在、訪日客の半分以上は、台湾や韓国、中国からの旅行者です。
このほか、タイやインドネシア、マレーシアからの旅行者も多くいます。
アジアからの旅行者が増えたのは、円高是正による割安感の浸透のほか、
ASEAN諸国に対するビザ所得要件の緩和などがありますが、
所得増で海外旅行熱が高まっているのは間違いありません。

訪日外国人の目的はといえば、日本の四季や温泉、買い物です。
観光庁の平成25年年次報告書によると、訪日外国人の旅行支出額は、
平均136、693円と推定されるそうですから、
日本に落とすお金の額は決して小さくないわけですね。

こうしたアジアからの旅行者の取り込みには、
中間層がターゲットのLCC航空会社の日本就航がカギを握ります。
同時に大切なのが、LCC専用ターミナルの整備ですよね。

LCCの利用者は、サービスよりも価格を重視します。
20代の若い旅行者や30代のファミリー層が好むのは、どんな店舗か。
早朝や夜遅い便で発つLCC利用客に待ち時間をどのように過ごしてもらうか。
つまり、LCC利用客の目線に立って、従来型の旅客ターミナルとは異なる発想で、
使い勝手のよいターミナルをつくらなければいけません。

2015年4月、成田第2旅客ターミナルブルの北側に、
LCC専用の第3旅客ターミナルがオープンします。
入居するLCCは、ジェットスター・ジャパン、バニラエア、春秋航空日本の3社で、
ほかに、ジェットスター航空、エア釜山、セブパシフィック、エアアジアXなどの
海外LCCが乗り入れる計画です。

LCC利用者にとって、何よりありがたいのは、
本館2階の一般エリアが24時間、
休憩スペースとして利用できることでしょうな。
LCCは深夜から早朝時間帯の便が多く、24時間利用できる休憩スペースを
求める声があがっていました。
また、400席のフードコートには、外国人旅行者に人気の
寿司店、お好み焼き店、讃岐うどん店などが出店します。

第3旅客ターミナルには、ボーディングブリッジは設置せず、
建設コストを最小限に抑える計画です。
それによって、施設使用料が安くすめば、LCC旅行客は嬉しいはずです。
羽田空港をライバル視しつつ、成田空港は変わりつつあります。
そのチャレンジが、訪日外国人旅行者2000万人につながるかどうか。
期待したいところですよね。

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