シャープがまた、ガケっぷちに立っています。
シャープは先月19日、2015年3月期の業績について、
昨年10月に発表した連結決算予想を下回る見通しを発表しました。
最終損益は、従来予想の300億円の黒字から、
数百億円の最終赤字が見込まれています。
今日2日付の日経新聞電子版でも報道されていたんですが、
不振の背景は、スマートフォン向け中小型液晶パネルの不振です。
シャープは、13年の経営危機以降、
小米科技(シャオミ)など、
中国の新興スマホメーカーに向けてのパネル販売を通し、
業績改善を図ってきたんですな。
昨夏まで、シャオミが調達するパネルの6割を生産し、
高級機種では8割以上のシェアを握るなど、好調を維持。
14年3月期決算は黒字化。
ところが、同新聞電子版によると、昨年11年以降、
日立・東芝・ソニーによる日の丸連合「ジャパンディスプレイ」の
営業攻勢を受けて、シャオミとの新規契約が取れなくなった。
そのうえ、昨年末から中国市場で
スマホ用パネルの価格競争が激化し、採算が急速に悪化。
私は、以前のブログ(14年7月5日付)で、次のように書きました。
「日本の総合電機メーカーは、
“総合”にこだわっている必要はないと思います。
生き残るために、得意の部品メーカーに徹しても、
何の恥でもなく、不都合もありません」と。
アップルにサムスン、中国の新興メーカーなどの強豪がしのぎを削る、
デジタル情報家電市場を生き抜くのは並大抵のことではありませんよね。
シャープが液晶パネルをコア事業として位置付け、
存在感ある部品メーカーへの転身を図ったことは
間違っていなかったと思います。
が、しかし、その液晶パネル事業さえもが、苦境に立たされている。
家電メーカーのものづくりを取り巻く環境は、
依然きわめて厳しいといわざるをえませんね。