パナソニックは、中国での液晶テレビ生産の終了を発表しています。
パナのテレビ事業は今後、どうなるのか。
パナソニック専務の河井英明さんは、
「2014年度第3四半期決算概要発表」
の席上、テレビ事業について次のように述べました。
「今年度はまだ、赤字が増える見込みですが、
あと、もう一息で黒字化するところまできています」
パナは2015年3月期までに構造改革を終えるといってきました。
なかでも、テレビ事業は課題事業の一つでした。
そのテレビ事業は6期連続赤字を計上しましたが、
ようやく黒字化のメドが立ったというわけです。
その要因としてあげられるのは、海外生産拠点の再編です。
中国での液晶テレビの生産を終了しているほか、
メキシコのティファナ工場をどうするかも検討課題としてあがっています。
日本向けテレビの生産拠点のマレーシアに関しては、生産を継続。
宇都宮工場もチェコも生産を継続します。
「テレビの価格下落に対応し、絞り込みをしながら、
高付加価値の商品に特化していく計画です」
と、河井さんは語りました。
あたかも、パナがテレビ事業を縮小するかのように聞こえますが、
実態は少し違うように思います。
たしかに、放送受像機としてのテレビ事業を縮小するのは確かですが、
テレビ事業はそれだけではないからです。
これからのデジタル社会では、
ディスプレイの需要はますます大きくなります。
身近なところで考えてみても、カーナビやデジタル家電、住宅機器など、
ディスプレイ抜きには考えられません。
その意味で、テレビの関連事業は重要なんですね。
「テレビ事業は、ブランドイメージの維持や向上のためにも重要です。
住宅事業をやる上でも、テレビ事業のもつブランドイメージが欠かせません」
と、河井さんは記者会見の席上、述べました。
いってみれば、パナソニックがB2B事業を推進するうえで、
テレビのもつブランドイメージは、考える以上に重要ですね。
今後の業績について、河井さんはいいます。
「収益の出る経営体質はできあがっています。
15年度からは売り上げを伸ばしつつ、
確実に収益があがるステージに移行していきます」
構造改革を終え、収益体質に移行するなかで、
お荷物といわれてきたテレビ事業から、
そう簡単に撤退することなど考えられない。
なぜなら、ディスプレーというデバイスが
B2B向けのデジタル情報機器には不可欠だからです。