サムスンは、いよいよスマホ事業から“下山”を始めたといっていいでしょうね。
サムスン日本法人は、今年の3月末に、東京・六本木の本社ビルの持分を売却し、
日本各地の支店も整理するというのです。これは、まさしく下山の開始です。
朝鮮日報の日本語版によれば、本社ビルの持分売却の理由は業績不振に伴うコスト削減のため
とのことです。常駐社員をはじめ、300人の営業部隊を東京・飯田橋に移転する
計画だといいます。
業績悪化の原因は、スマホの販売不振であるのは間違いありません。
14年12月期のスマートフォンなど、IT機器部門の営業利益は、
約1兆5700億円と、前の年に比べ42%減ったと発表されました。
スマートフォンの日本国内でのシェアは、アップルや日本メーカーに押され、
17%から4%程度にまで落ち込みました。
2013年12月期の連結決算で、3兆6000億円あった営業利益も、
2014年12月期には2兆5000億円程度にまで落ち込みました。
現在のような調子が続けば、減収減益を繰り返す可能性が高いと
いわなければならない。
問題は、サムスンに魅力的な商品が欠けることです。
ギャラクシーノートエッジしかり、サムスンウォッチしかりで、
食指の伸びるような価値が訴求できていません。
このままでは、スマホは、テレビと同じ凋落の道を行くのではないでしょうかね。
その意味で、今回のサムスンの日本法人移転のニュースは、同社が曲がり角に
あることを意味しているといえるでしょう。
昨年の5月に2代目の李健熙(イ・ゴンヒ)サムスン電子会長が
病床に伏して以来、現在まで半年以上トップ不在の状態が続いています。
3代目李在鎔(イ・ジェヨン)副会長への
世代交代が水面下で進んでいるといわれています。
近い時点で、李健熙氏から李在鎔氏へと世襲交代が行われるのは
間違いありません。
しかしながら考えてみれば、バトンタッチは、業績が落ち込んだときの方が
“ラク”だと思われます。世代交代が飛躍のチャンスとなるケースもあります。
あとは、そのタイミングだけでしょう。
そう考えてみると、サムスンの動きから目が離せませんよね。