少し前の話になりますが、伊勢志摩サミット(主要国首脳会議)の開催が決まりました。サミットが開催されれば、地域の世界的知名度は一気に上昇します。三重県のブランド化につながることは、間違いありません。
安倍晋三首相は、各国首脳に対して、大小の島々、リアス式海岸、伊勢神宮など日本なかんずく三重県をアピールするでしょう。じつは、サミットに直接関係がありませんが、三重県は、日本最先端を行く「企業投資促進制度」を整備していることで知られています。
「三重県」「企業投資促進」というと、シャープの亀山工場のネガティブイメージが浮かぶかもしれません。しかし、その内容は、シャープ誘致の“反省”もあってか、大変ユニークで興味深いのです。
例えば、「マイレージ制度」です。補助金の投資要件に満たない投資でも、5年間にわたりポイントを積み上げることによって要件を達成すれば、補助金申請が可能になります。
また、クリーンエネルギーなどを対象とする「成長産業立地補助金」や、製造業で、マザー工場化につながる投資を対象とする「マザー工場型拠点立地補助金」もあります。ほかにも、「研究開発施設等立地補助金」「外資系企業アジア拠点立地補助金」「地域資源活用型産業等立地補助金」、さらに、「サービス産業立地補助金」があります。
先だって、三重県知事の鈴木英敬さんにインタビューする機会がありました。鈴木さんは、2011年に36歳で当選し、最年少の知事となりました。育休をとったことでも知られていますよね。
鈴木さんは、サービス産業に関して、次のように話していました。
「日本の経済総生産は、製造業が平均約17%ですが、三重県は約31%です。三重県は、どちらかというとサービス産業が弱いんです。ここを活性化していく方策が必要です」
「サービス産業立地補助金」は、集客交流産業、宿泊業、情報通信産業などのうち、雇用効果や経済波及効果が大きいものを対象としています。鈴木さんは、「外資系のホテルチェーンを誘致できたら……」と、話していました。
伊勢志摩サミットの開催決定に伴い、近鉄グループや三重交通グループなど関連銘柄の株価は上昇し、地域経済の活性化が期待されています。
サービス産業立地補助金とサミット効果によって、三重県に外資系ホテルが建つのも、あながち夢ではないのではないでしょうかね。