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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

パナの太陽光発電はエコだけじゃない

2016年に始まる電力小売りの全面自由化。電力事業への参入業者が増えることから消費者にはメリットもありますが、一方で電気料金の値上がりの可能性も指摘されていますね。

電力小売りの自由化が進む諸外国では、電気料金の値上がりに直面している。背景には、天然ガスや石油などの燃料費の高騰、再生可能エネルギー買い取り費用の増大のほか、国による電気料金の値上がりに関する規制の撤廃などがあります。

「電力が全面自由化される2016年以降、電力市場は大きく変わることが予想されます」とは、13日、江東区有明の「パナソニックセンター」で開かれた技術セミナーでのパナソニックエコソリューションズ社エナジーシステム事業部の北村常弘さんのコメントです。
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上がり続ける電気料金。少しでも家計負担を減らすにはどうしたらいいのか。1つの解は、できるだけ電力会社から買う電気を減らすことではないでしょうか。

ここ数年、太陽光発電で電気を自前で創る家庭が増えています。とりわけ、東日本大震災後は、停電を経験した家庭、エコに関心の高い家庭を中心に、屋根に太陽光パネルを設置する家庭が目立つようになってきましたよね。

しかし、これからはエコ意識よりはむしろ、電気代高騰への自衛のために、太陽光発電システムを取り入れる家庭が主流になると予想されます。太陽光発電システムでつくった電気を貯めて使い、できるだけ買う電気を減らすという発想ですね。

パナソニックは年内に、オーストラリアで住宅用蓄電池システムの実証実験を開始。電気代の節約効果などの成果を日本でも生かす計画です。

また、各住宅に設置した蓄電池を遠隔操作して、地域の電力を制御する分散電源システムの事業化をオーストラリアで開始する計画です。今後、日本、欧米でも展開を予定、2018年度に蓄電池の世界での売上高100億円を目指します。

住宅用蓄電池は、2020年度、約3600億円の市場規模が予想されています。電気代の節約という、より現実的かつ具体的な目的が掲げられたことで、市場拡大に一層、弾みがつきそうですね。

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