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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

ヒカリとスマホのドッキング?

やや旧聞の話になりますが、12月18日、パナソニックは、「光ID」技術を用いた情報連携サービス事業の技術セミナーを行いました。

「光ID」技術とは、LED光源を、人の目では認識できないほど高速で点滅させ、さまざまな情報を送る「可視光通信技術」を応用したものです。スマートフォンのイメージセンサーで「光ID」送信機能付きのLED光源からIDを受信します。わかりやすくいえば、スマホのカメラをID付きのLED照明にかざすだけで、瞬時にID(情報)を読み取ることができるというものです。

「町中にある電子看板や照明には光の明暗の変化があります。この中に信号が入っていて、明るさの変化をスマートフォンのイメージセンサーで受信できるようにしたのが、パナソニックの発明なんです」
パナソニックAVCネットワークス社事業インキュベーション総括主幹の川合啓民さんはそう語りました。
可視光を利用した通信といえば、古くは軍艦同士や灯台の光を使った交信もそうですよね。それを、人の目ではなく、いわばコンピュータの目であるイメージセンサーで読み取るんですね。

パナソニックは、この可視光通信を可能とするLED照明を街のいたるところに配置しようと考えています。例えば、入り組んだ東京の駅構内に「光ID」送信機能付きの照明看板を設置しておけば、スマホを看板にかざして現在地の地図情報などを取得することができますね。

※照明看板にスマホをかざすと地図情報が表示される

※照明看板にスマホをかざすと地図情報が表示される

「光ID」技術のメリットはそれだけではありません。ブルートゥースやQRコードといった、従来の通信技術に比べて操作が直観的で使いやすい。
つまり、QRコードのようにスマホをジーッとピント合わせする必要もなく、ブルートゥースのように混雑した状況で情報を受信しにくいということもありません。数メートル離れた距離からコンマ3秒以内の速さで素早くIDを読み取ることができるのです。

この日、「ヒカリで銀ぶら」と銘打って、銀座通りに設置された、いくつかのLED照明を回りました。専用のiOSのアプリケーションをダウンロードしてスマホを照明にかざすと、お店のクーポン情報や街の情報が画面に映し出されます。19日と20日の2日間、銀座通りの各所で照明からプレゼントがもらえるなどする体験イベントが行われました。
実演では、スマホを光にかざした瞬間に画面に情報が表示され、そのスピードは快感でしたよ。

「東京スカイツリーのLED照明に『光ID』技術を採用してもらえたらいいですね」と川合さんは語りましたが、例えばスカイツリーのクリスマスイルミネーションにスマホをかざすと、クリスマスメッセージが送られてきたら素敵ですよね。
LED照明は、今や世界で普及しつつあります。自動車のライトにも多く使われていますから、「光ID」を応用した通信が、画期的なソリューションを生みだすかも知れませんね。

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