パナソニックは3日、2016年3月期の連結決算予想について、売上高を従来予想の8兆円から7兆5500億円に、営業利益を4300億円から4100億円に引き下げました。下方修正です。いったい、何が起きたのでしょうか。
パナソニックが通期予想を下方修正したのは、中国の景気減速によるエアコンや電池関連の販売減が原因です。
「中国でのエアコン、デバイス事業、ICT向け二次電池などの販売低迷が下期に入って加速しました」
と、パナソニック専務の河井英明さんは記者会見の席上、述べました。
OECD(経済協力開発機構)は、中国の国内総生産の伸び率について、2015年6.8%、16年6.5%、17年6.2%との予想を発表しましたが、パナソニックは、中国の景気減速の影響をダイレクトに受けたわけですね。
なかでも響いたのが、中国市場における住宅投資の減速です。住宅の着工件数が伸びなければ、当然、エアコンなどの販売は頭打ちになりますからね。
河井さんは、中国でのエアコンの販売減について、次のように厳しい見方を示しました。
「流通在庫が非常に大きく、販売が伸び悩んでおり、流通在庫がある程度の適正水準になるまでにはしばらくかかると見ています」
この先の中国経済をどう見ればいいのでしょうか。
河井さんは、「しばらくはこういう状況が続くと見ていますが、年央からは改善されると期待しています」と述べました。
これに対して、日本とアジアにおける白物家電事業は好調で、国内では白物家電全体のシェアが過去最高となりました。例えば、高価格帯のエアコンなどが健闘しています。また、テレビ事業も収益は改善しています。
パナソニックは、2018年度の売上高10兆円を目指していますが、その実現に向けては、一年一年が勝負であることは論を待ちません。今回の下方修正が目標達成にどう影響するか。注目しなければいけませんね。