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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

ホンダの「クラリティ フューエルセル」の乗り心地

昨日、埼玉県和光市で、ホンダのFCV(燃料電池車)「クラリティ フューエルセル」の試乗会が行われました。
「クラリティ フューエルセル」は、先月10日、自治体や企業を中心にリース販売がスタート、すでに経済産業省や宮城県などに納車されています。

「自動車産業は、排出ガスによる大気汚染、温室効果ガスによる地球温暖化、将来の石油枯渇によるエネルギー問題という大きな3つの問題を抱えています。この3つに同時に対応できるモビリティとしてFCVが重要だと考えています」
と、開発責任者の清水潔さんは、FCVに取り組む意義を語りました。

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※試乗会の様子

ホンダの「クラリティ フューエルセル」は、トヨタのFCV「ミライ」が4人乗りなのに対して、パワートレインの小型化によって5人乗りを実現。室内空間は広く、後部座席に座っても、狭い印象はまったくない。一般のセダンと遜色ありませんでした。

アクセルを踏み込むと、応答は速く、一気に加速。エアーを送り込むためのコンプレッサーの「ヒューン」という音、減速時に少しモーター音がしますが、さほど気になる音ではありません。
走行中、同じコースを走行中の「クラリティ フューエルセル」を見かけました。公道で見ると、リアエアカーテンの黒が目立って、スポーティな印象でしたね。

「クラリティ フューエルセル」は、燃料の充填時間約3分、最大航続距離は750km、乗り心地や走り、室内空間と、いずれもガソリン車のセダンに引けを取らないレベルに達しました。

ホンダは、水素の普及に向け、FCVと同時に、岩谷産業と共同開発した「スマート水素ステーション(SHS)」の設置も進めています。SHSは、コンテナサイズの簡易型水素ステーションです。水道水を、太陽光などで発電した電力で電気分解して水素をつくります。

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※SHSの充填ノズルを「クラリティ フューエルセル」の充填口に差し込んだ状態

SHSは、現在、和光市や、埼玉県庁、東京のホンダ青山本社など6か所で運用、設置が進んでいます。四国は徳島県徳島市、東北では初の水素ステーションとして宮城県仙台市に設置し、すでに運用中です。
例えば、宮城県は、「クラリティ フューエルセル」1台と「ミライ」2台を導入しましたが、これは、SHSを仙台市にある県保健環境センターに設置したからこそなんですね。

「商用ステーションがある4大都市圏以外にも、CO2削減に貢献したいという自治体さんは全国にあります。そこに持っていって設置すれば、地方でもFCVに乗ることが可能になります。
SHSは先兵隊のように地域へいき、水素の需要を掘り起こす。そして、FCV市場がある程度の大きさになれば、自ずと商用ステーションがきて、水素社会の入り口ができるというシナリオが描けますね」
SHS開発担当者で汎用R&Dセンター主任研究員の中沢孝治さんは、そう語りました。

ただし、ホンダは、「クラリティ フューエルセル」の個人への販売は、17年の秋以降の予定としています。これは、もう少し早くならないものでしょうかね。

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