「また、やったか!」というよりほかありません。三菱自動車工業が、燃費試験データを改ざんし、燃費性能を偽ったことがわかりました。
いったい、三菱自動車はどうなっているのでしょうか。“スリーダイヤ”が泣きますよね。
該当車種は、2013年6月から生産している「eKワゴン」と「eKスペース」、三菱自動車が日産自動車向けに供給している「デイズ」、「デイズルークス」の軽自動車4車種です。
いま、日産向けに生産していると書きましたが、その背景はこうです。
三菱自動車と日産自動車は、軽自動車の開発会社「NMKV」を2011年に合弁で設立して、軽の開発に合同で取り組んできました。
日本の市場は今日、4割が軽自動車で占められています。日産は、軽の開発ノウハウがありません。そこで、三菱自動車と組んで開発し、三菱自動車の水島工業で生産された軽のOEM供給を受けてきたという経緯があります。
そのような仕組みのもとで、三菱自動車はこれまでに計15万7000台を販売し、日産自動車向けには計46万8000台を生産してきました。
不正に操作されたのは、「走行抵抗」と呼ばれる車両走行時のタイヤや空気抵抗を示すデータです。実際よりも、燃費に有利な数値に改ざんされていました。
改ざんは、日産自動車からの通報を受けて、判明しました。
日産が該当車の燃費を参考に測定したところ、届出値とのかい離がありました。日産の指摘を受けて、三菱自動車が、社内調査をしたところ、実際より燃費に有利な走行抵抗値を使用した不正を把握するにいたったということです。
三菱自動車は、2000年にも大規模なリコール隠し事件を引き起こしました。その後、2004年にもトラック・バス部門のさらなるリコール隠しが発覚しました。これが決定打となって、三菱自動車、三菱ふそうがユーザーの信頼を失ったことは、記憶に新しいところです。
まったく反省がないというか、懲りないというか、三菱自動車の体質はまったく変わっていないということでしょう。
「重々、承知しています。石垣を積み重なるように改善をしてきましたが、無念です。忸怩たるものがあります」と、4月20日、午後5時に開かれた緊急会見の席上、相川哲郎社長は述べました。
こうなると、日本は独フォルクスワーゲンの排ガス不正問題を笑えませんね。