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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

パナは“車載市場”で勝ち組になれるか

18日、パナソニックは、アプライアンス社、エコソリューションズ社、AVCネットワークス社、オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社の4つのカンパニーのIR説明会を行いました。
注目したいのは、オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社です。車載や産業用などB2B領域専門のカンパニーですね。

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車載についていえば、パナソニックは、2018年に売上高を2兆円にするとしてきました。世界の自動車市場は安定して伸びていますし、自動車の電子化、電動化が進んでいます。車に搭載される電子部品すなわちハードウェアに加え、システムすなわちソフトウェアの市場は、どんどん大きくなっている。
「成長が期待されます車載市場で、システム領域へ事業を拡大することにより、当社は2018年度に売上2兆円、業界を上回る年率16%の高成長を目指してまいります」
と、同社社長の伊藤好生さんはコメントしました。

車載事業の主力は、テスラに代表される電気自動車、トヨタなどが力を入れるハイブリッド車、プラグインハイブリッド車など向けの蓄電池ですね。
さらに、運転席まわりのセンターディスプレイ、ヘッドアップディスプレイといった部品、IVI(イン・ビークル・インフォテインメント)ユニットのシステムの受注を拡大する方針です。

従来、自動車と電機の部品はすみ分けがはっきりしていましたよね。実際、自動車部品については系列会社が圧倒的に強かった。しかし、近年の自動車の電子化によって、事情は変わりましたね。
「当社の強みは、グループ内にデジタル家電で培った高度な画像処理技術や、小型化、光学レンズ技術などを保有しているところにあります」と、伊藤さんは強調しました。

例えば、自動運転には、画像センサーやカメラモジュールなどが欠かせませんが、これらは本来、自動車部品というより、パナソニックやソニー、三菱電機のような家電メーカーが強い分野ですね。
さらに、近年、速度メーターやスイッチなどが集まっている「クラスター」は、速度や燃料残量など基本情報の表示だけでなく、車載カメラの映像やレーダーの情報なども表示できる“デジタルクラスター”にとってかわられつつあります。
「デジタル化、つまり液晶化になることによって、パナソニックにゼロの市場からチャンスが生まれてきております」というのは、同社上席副社長オートモーティブ事業担当の柴田雅久さんの言葉です。

デンソーの関係者は、かねてより「電機メーカーが攻め込んでくる」と話し警戒していましたが、まさに現実になりつつあるわけですね。

自動車は、電子化、電動化の進展により、競争力がハードからソフトへと移りつつあります。今後、自動車業界においても、システムなどソフトを握る企業が力をもつようになっていくのは、間違いないでしょうね。

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