Loading...

経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

サントリー山崎蒸溜所② 国産ウイスキーの誕生

ウイスキーづくりは、自然との対話にほかなりません。
DSC0725923
というのは、原料の水にしろ、麦芽にしろ、酵母にしろ、すべて大地からの恵みそのもの。気候風土の違い、熟成の仕方によって、香りも味も微妙に違ってきます。

ウイスキーの品質を決める最大の要素は、水なんですね。仕込む水が違うと、ウイスキーの味わいはまったく変わるといわれています。

山崎蒸溜所の周辺では、日本名水百選の一つ「離宮の水」が湧き出しています。山崎蒸溜所では、その地下水をウイスキーの仕込み水に使用しているんですね。

「水が硬い」、「水がやわらかい」といういい方を聞いたことがあると思いますが、水にはさまざまなミネラルが含まれていて、水1000ミリリットル中に溶けているカルシウムとマグネシウムの量を表した数値を硬度といいます。

ヨーロッパの水は硬く、日本の水はやわらかいとされます。フランスなどの水道水を口に含むと、明らかに味が違います。国土が広く山がなだらかなフランスは、降った雨が採水地に集まるまでの時間が長く、ミネラル分の多い硬水となるんですね。

逆に、国土が狭く、山深い日本は、降った雨が採水地に集まるのに時間がかからないため、ミネラル分の少ない軟水になります。

「山崎の水は、中軟水で硬度は約90です。非常にいい水ですね」
というのは、佐々木さんのコメントです。

以下は、佐々木さんの解説です。

硬度の高い水(ミネラル分の多い水)で仕込むと重圧感のあるモルトに、硬度の低い水(ミネラル分の少ない水)で仕込むと軽快なモルトに仕上がるそうです。軟水の中でも比較的硬度が高くて、ミネラル分の多い山崎の水は、複雑な香味やモルト原酒をつくるには、うってつけ。

ちなみに、山崎蒸溜所とはタイプの異なる原酒づくりが行われているのが、南アルプスの麓にある白州蒸溜所。ここの水は、硬度約30度で山崎よりも少しやわらかいため、軽快でクリーンな味わいになる――。

彼はまた、次のように教えてくれました。
「蒸溜するときにアルコールを一回、気化させるのですが、そのときにあまりカルシウム、マグネシウムが多すぎると、釜の中に不純物が残りやすいため、軟水のほうがいいといわれていますね」

ページトップへ