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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

自動運転の主導権を握るのは誰か

昨日11月13日、秋田県仙北市の田沢湖畔で、日本初の公道の無人運転車両の走行実験が行われました。ハンドルのない小型“バス”の公道での実証実験です。

内閣府が国家戦略特区である仙北市と行ったもので、実験を受託したのはディー・エヌ・エー(DeNA)です。
使用された小型バスは、同社が提携する仏イージーマイル社製の車両が使われており、DeNAの「ロボットシャトル」という交通システムが搭載されています。

ちなみに、車両は、座席6つと立ち乗り6人、合わせて12人乗りで、運転席やハンドルはありません。リチウムイオン電池で動く、いわば、小型の無人運転電動バスですね。
今年8月には、千葉県イオンモール幕張新都心店で、初めて乗客を乗せて試験運行されました。

仙北市の実験では、県道約400メートルを、最高時速10kmで往復し、関係者や公募で集まった市民約60人を運びました。高齢者など交通弱者や観光客の移動手段となることが期待されています。

自動運転といえば、米電気自動車メーカーのテスラ・モーターズをはじめ、欧州のメルセデス・ベンツやBMW、国内の日産、トヨタなど大手メーカーが、熾烈な開発競争を繰り広げていますよね。

メーカーだけではありません。例えば、米グーグルは、70台ともいわれる自動運転車を使い、米カリフォルニア州の公道で走行実験を行っており、すでに300万キロ以上の走行データを蓄積しているといわれます。今年5月には、フィアット・クライスラーと提携しました。

今回、仙北市で実験を行ったDeNAは、ゲームをはじめとするアプリケーションの開発や、球団運営などを手掛けていますが、オートモーティブ事業として、自動運転技術をもつZMPとの「ロボットタクシー」、ヤマト運輸との「ロボネコヤマト」、さらにイージーマイルとの「ロボットシャトル」などにも取り組んでいるんですね。

自動運転技術は、日進月歩です。自動車メーカーが、カスタマー向けの車両の自動運転技術を磨く一方で、バスやタクシーなどの公共交通の分野ではプラットフォーマーが先んじているようです。
両者、自動運転技術の肝となる技術やデータは、譲れない。主導権を握るのは、自動車メーカーか、グーグルやDeNAなどプラットフォーマーか。予断の許されない状況です。

ここ数日、高齢車による自動車事故のニュースが続きました。自動運転技術による事故低減に期待がかかりますね。

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