年初ですから、今年の日本経済の行方について、少し述べてみたいと思います。
ズバリ、今年の日本経済はどうなるか。
まあ、常識的に考えれば、当面“緩やかに回復する”という見方になります。米国景気は、トランプ次期大統領の掲げる政策によって、さしあたって回復すると考えられますからね。
指摘されている通り、トランプさんが掲げる「減税」「インフラ投資」「規制緩和」といった景気刺激策は、おそらく米国景気を上向かせる。その期待感から、米国株式市場は現在のところ順調です。
トランプ政権の経済政策について、もっと俗に考えると、どうなるか。政権を担う官僚には、ゴールドマンサックスのOBが3人も入っています。史上最高の“金持ち政権”とまでいわれている。彼らは、当然、ケタ違いの株式を所有しています。
株価が下がれば損をする本人が、株の暴落を招く政策をとるとは、考えにくいんですね。
ただし、現在の高株価が長く続くかといえば、それは「否」でしょうね。せいぜい、もって一年ではないでしょうかね。実際に政権が動き出してみれば、期待通りに進むことばかりではありませんからね。
世界経済を見ても、中国リスクが指摘されていますが、今年はヨーロッパ(EU)において、オランダ、フランス、ドイツで相次いで選挙が行われます。これらの結果次第では、ヨーロッパの景気が冷え込む可能性がある。
それに、昨年の“BREXIT”やトランプさんの当選のように、世界では、予想外の事態が発生するものです。外部環境が劇的に変化すれば、米国、中国、欧州に限らず、株価は一気に落ち込み、世界の景気が冷え込む可能性があることは、覚悟しておかなければいけません。
なにしろ、世界の実体経済の規模はおよそ80兆ドルといわれます。それに対して、その約3倍のカネが市場に出回っているんですからね。爆弾を抱えているようなものです。いってしまえば、世界の景気は常に不安定なのです。
日本企業にとって大切なのは、トランプ政策や、欧州各国の選挙結果に一喜一憂することなく、しっかりと改革や革新を進めていくことですよね。
何しろ、日本の個人金融資産は1700兆円、そして企業の内部留保は370兆円です。底力はあるんです。経営者は、勇気と覚悟を持って、リスクに挑戦し、投資をする必要があります。