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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

銀座ソニービル「フィナーレイベント」で平井社長が熱演!

サヨナラ!ソニービルです。



銀座ソニービルといえば、高度経済成長の象徴ともいうべき存在です。1966年に銀座の数寄屋橋交差点の一角で開業しました。最先端の家電製品の展示、日本一速いエレベーターなどで話題を集め、当時、一日平均2万人を超える人出を記録しました。

3月31日、その銀座ソニービルが閉館しました。「銀座ソニービル フィナーレイベント」でサプライズがありました。東京スカパラダイスオーケストラによるスペシャルライブに、社長の平井一夫さんがサックスで飛び入り出演し、会場を盛り上げたんですね。

ソニービルが一時閉館するにあたって、平井さんはソニービルの歴史や自身の思い出を、平井さんの高校、大学、会社の先輩であるというMCのジョン・カビラさんとともに振り返りました。

「開業当時、エレクトロニクスメーカーだったソニーは、いまやエンターテインメント、音楽、ゲーム、金融、不動産もやっています。いまのソニーを体験してもらえる、“ワオ!”といってもらえる空間にしたい」
と、平井さんは、新しいソニービルの姿を語ってみせました。

解体後の跡地は2018年から20年秋までイベントパークとして開放され、22年には新しいビルが竣工される予定です。

トークショーのあと、平井さんはおもむろにサックスを手にしたのです。この日のために、一か月、会議室でひそかに練習をしたそうですよ。

平井さんの演奏に合わせて、東京スカパラダイスオーケストラが登場し、ソニービルの4階から1階まで演奏しながら練り歩き、最後は、ソニー通りでライブが行われました。雨にも関わらず、大いに盛り上がりましたね。

平井さんは1984年にCBS・ソニー(現ソニー・ミュージックエンタテインメント)に入社し、洋楽アーティストの来日時の通訳や身の回りの世話をするなど、ミュージックの世界を経験しています。

「ミュージックのビジネスは、全アセット(資産)が人間です。いかに気難しいアーティストにいい作品をつくってもらうかという“人間商売”なんです。私は、ソニー・ミュージックエンタテインメント時代にそれを叩き込まれました」
と、平井さんは、1年ほど前のインタビューで語りました。

このとき、平井さんはこうもいっていました。

「音楽に限らず、ソニーには同じような文化があります。私はいつもいうのですが、自分たちが盛り上がらないと、絶対にいい商品はできない。人間は、コミュニケーションして盛り上がって初めていいものができるのです。エンタテインメントでも、ハードやデバイスでもサービスでも一緒だと思います」

「ソニービル フィナーレイベント」で率先して会場を盛り上げたのは、平井さんの強い思いがあったからでしょうね。

それに加えて、ソニーの業績が上向いてきたことの証拠と見ることもできます。

ソニーの17年度の営業利益は最高水準に回復すると見られています。

おもな改善要因は、熊本地震の損失がなくなることや映画分野の減損影響がなくなることです。また、ゲーム事業の収益拡大への期待もあります。

かつてのように業績がどん底にあっては、とてもではありませんが、社長自らが盛り上げ役を買って出ることなどできないでしょうからね。

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