グーグルグラスが、B2B市場で復活しましたね。グーグルの持ち株会社であるアルファベットは18日、B2Bに特化したグーグルグラス、「グラス・エンタープライズ・エディション」を発表しました。
発表された「グラス・エンタープライズ・エディション」は、カメラの画素数が500万画素から800万画素に向上したほか、プロセッサの高速化、バッテリーの長寿命化を実現しています。
グーグルが、初代の「グーグルグラス」を、一般者向けを想定して米国で限定発売したのは、2013年です。その頃は、サムスンの初代スマートウォッチの「GALAXY Gear」が発売されるなど、ウェアラブル端末は、“ポスト・スマートフォン”として大いに注目を集めていましたよね。
しかし、メガネ型の端末は、一般者向けの普及は進みませんでしたよね。初代「グーグルグラス」の「エクスプローラー・エディション」は、「盗撮」が懸念され、プライバシーの問題が指摘されていました。結果、グーグルは、15年に販売を中止しました。
私は昨年1月、IT mediaに「ウェアラブル端末が『街角』より『工場』で普及する理由」という記事を寄稿しました。そのなかでも触れた通り、当初から、ウェアラブル端末のニーズは、一般人よりむしろ、生産性向上やコスト削減などメリットの見えやすい、工場や建設現場などに合っていると思います。
というのは、複雑な組立工程において、ハンズフリーで指示書や設計図を確認できるメガネ型端末ほど便利なものはありません。大きなモニターはいらなくなりますし、何よりも、手元から視線をはずさなくてすみますからね。
「グラス・エンタープライズ・エディション」は、工場などの製造現場、物流拠点、保守点検、さらに病院で医者がカルテを見る際など医療分野向けに、専門のソフトウェアを開発し、パートナーを介して販売するといいます。
ウェアラブル端末のB2B市場には、パナソニックや富士通、東芝など、国内各社も参入していますが、いま一つ普及が進みません。
日本メーカーは、メカニカルな技術力、モノづくり力、現場力という強みを生かし、徹底的に現場ニーズに応える装着性抜群のグラスを開発して、グーグルと対等の関係で組めないか。まあ、ムリですよね。