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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

パナがニオイ文化を変える?

ニオイに敏感な人は、少なからずいます。パナソニックは、主に〝異臭〟に積極果敢に挑戦しているんですね。どういうことか……。

2月27日、パナソニックは都内で「プロユース消臭剤nioff(ニオフ)の消臭技術とメカニズム」に関する技術セミナーを開催しました。

※ネット販売で一般家庭でも購入可能なパナソニックの消臭剤「ニオフ」

「(ニオイを)『気』にしない自由を提供していくことを通して、人と人とをやさしさでつないでいくような消臭剤を、いろんな市場に展開していきたいと考えています」
と語ったのは、パナソニックエコソリューションズ化研株式会社、開発・渉外グループグループ長の永安孝弘さんです。

パナソニックエコソリューションズ化研は、1962年に創業した、パナソニックのトイレ用脱臭触媒や、外壁材の無機塗料などを扱う化学会社です。1985年に消臭剤や空気清浄機用の消臭フィルターを発売して以来、30年以上〝ニオイケア〟に関する技術を蓄積してきました。

この日紹介された「ニオフ」は、一般的な家庭用の消臭スプレーや除菌スプレーではなく、医療や介護現場、ホテルの客室清掃など、プロユースとして発売された消臭剤です。

世界に存在するニオイ物質は20万から40万種あるといわれており、そのうち人が区別できるニオイが数千種存在します。「ニオフ」は、人が区別できるニオイの中でも、「尿臭・便臭」といった排泄物のニオイにターゲットを絞りました。

同社は便臭の主要因である「硫化水素」に着目し、化学反応によって硫化水素の分子構造そのものを組み換えてすみやかに消臭する方法により、硫化水素を10分で95%消臭する消臭剤を開発しました。また、尿臭の主要因である「アンモニア」にも有効で、除菌性能も備えています。

「ニオフ」によって、介護現場におけるおむつ替え、トイレ廻りの清掃、医療現場である病院での使用など、プロユースにおけるあらゆる利用を想定しています。さらに、ペット臭の主要因である「ノネナール」を消臭する専用消臭剤、人口肛門や人口膀胱をもつオストメイトの方向けの消臭潤滑剤など、ラインナップを広げてきました。

※パナソニックエコソリューションズ化研の永安孝弘さん

「パナソニックの技術で『ニオイの文化』を変えたい」
とコメントした永安さん。

パナソニック全体では、ニオイケアの展開の連携は不十分だといい、今後の課題です。しかし、公共の場や職場でのニオイを気にする「スメルハラスメント」の問題は、社会問題化しつつあります。「良い匂い」と「悪い臭い」の感じ方は人それぞれですが、ニオイを「気」にしない自由を提供していくというパナソニックの発想は、新しいマーケットを開拓するヒントになるかもしれませんね。

 

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