23日、パナソニックサイクルテック株式会社とコンビ株式会社は、都内で電動アシスト自転車事業における業務提携を行うと発表しました。
※パナソニックサイクル社長の片山栄一さん(左)とコンビ社長の五嶋啓伸さん
「子乗せの電動アシスト自転車の市場は、5年間で7割、年率でも2割弱の成長を維持する高成長分野であると同時に、電動アシスト自転車の3割弱を占める最重要市場のひとつです」
会見の冒頭、檀上でそう語ったのは、元メリルリンチ日本証券のアナリストで、2016年1月にパナソニック執行役員に転身した片山栄一さんです。片山さんは、昨年4月からパナソニックサイクルテックの社長も務めているんですね。
電動アシスト自転車市場で5割(金額ベース)を占めるパナソニックと、チャイルドシートやベビーカーなど、総合ベビー用品メーカー大手コンビは、子供を乗せる自転車、いわゆる〝子乗せ〟の電動アシスト自転車や周辺アクセサリーなどを共同開発するというのです。
電動アシスト自転車市場は、国内の自転車の全体需要が伸び悩むなかで、高成長が期待できる有望分野です。事実、電動アシスト自転車の生産台数は、2010年の約33万台から16年には55万台近くと、急拡大しています。
なかでも、子乗せの電動アシスト自転車は、お子さんや重い買い物袋を乗せて移動をしなければならない子育て世代にとって、クルマに比べて手軽で、使い勝手のいい移動手段として欠かせない存在といえます。
パナソニックとコンビが発表した子乗せ電動アシスト自転車事業の提携は、「商品の安全と品質に対しての考え方という点で目線が近い」と片山さんが語ったように、両社の強みを活かした自転車になることは間違いありませんね。
※パナソニックの既成の子乗せ電動アシスト自転車
電動アシスト自転車の課題は「軽量化」と「価格」といわれています。「販売店に軍艦が並んでいる雰囲気」と片山さんは述べましたが、共同開発の狙いは、子乗せ自転車の重くて危険なイメージを払拭し、スタイリッシュでファッショナブルな電動アシスト子乗せ自転車をつくることです。今回、パナソニックとコンビが培ったブランドを活かし、より付加価値の高い自転車を、この秋には投入する計画です。
パナソニックとコンビの提携は、子育て世代の需要を確実に取り込んでいくことができるでしょうか。