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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

マツダ「スカイアクティブ‐X」搭載車に乗ってみた!

6月2日、山口県美祢市の「マツダ美祢自動車試験場」で次世代ガソリンエンジン「スカイアクティブ‐X」搭載の試作車に試乗してきました。


※マツダ次世代ガソリンエンジン「スカイアクティブ‐X」搭載車

マツダは、昨年8月、「サスティナブル“ZooM‐ZooM”宣言2030」を発表し、2019年に「スカイアクティブ‐X」搭載車を導入することを宣言しています。

「スカイアクティブ‐X」は、昨年の独フランクフルトを皮切りに、すでに国内でも公開されています。ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの“いいとこどり”をしたガソリンエンジンです。

「スカイアクティブ‐X」は、ガソリン燃料をディーゼルのように圧縮着火させています。それを実現したのは、「SPCCI(火花点火制御圧縮着火)」という世界初の仕組みです。

シリンダー内の理想的な燃焼のために、空気の量がコントロールされているのも、ポイントです。

マツダパワートレーン開発本部エンジン性能開発部部長の高松宏志氏は、「スカイアクティブ‐X」の本体を前に、次のように説明しました。
「エンジン側面にある『高応答エア・サプライ』で、高圧の空気を短時間にシリンダー内に送り込んでいます」


※「スカイアクティブ‐X」

試作車は、「スカイアクティブ‐X」が搭載されているだけでなく、「スカイアクティブ・ビークルアーキテクチャー」と呼ばれる、マツダ独自の車体設計がなされています。エンジンと車体のトータルでマツダらしさを体現しているといっていいでしょう。

コンセプトは、人間中心の発想です。

「人は、歩行するとき、無意識にバランスをとっています。目標に向かって、進行軸を基準に骨盤と状態を逆方向に動かし、頭部を安定させているんですね」というのは、マツダ車両開発本部主査の京免章氏です。

そうした人間の特性への理解は、車の各部に生かされています。例えば、シートは、脊柱のS字カーブが維持できるようにつくられています。また、シート取り付け部から骨盤まで入力エネルギーを遅れなく滑らかに伝えるため、シート各所の構造を見直しています。

さて、いよいよ試乗です。最初に、現行アクセラ(2.0L GE)に乗り、続いて、「スカイアクティブ‐X」搭載の試作車に乗ったのですが、「スカイアクティブ‐X」搭載車は、アクセルペダルを踏んだ瞬間からスムーズな動きが感じられましたね。

人の動きに、クルマが忠実についてくるという感じですかね。これが、マツダのいう“人馬一体”すなわち「上質な走り」なのだと実感しましたね。走っていて、スピードの質感を感じるといったらいいでしょうかね。

コーナリングでも、体がもっていかれる感じはなく、スムーズで安定感がありました。運転の楽しさが味わえるというのでしょうか。

また、静粛性も配慮されています。コース上には、小さな段差がつくられていたのですが、現行車が段差を乗りこえるとき、「カン」という金属音を響かせたのに対して、試作車は、「トン」という音が遠くから聞こえてきたように感じられただけ。耳に響くような金属音はまったくありませんでした。

マツダは、「サクテイナブル“ZooM ZooM”宣言2030」の中で、2030年までに、「Well to Wheel(燃料採掘から車両走行まで)」でのCO2排出量を2010年比で50%削減することを目ざしています。

「スカイアクティブG」と「スカイアクティブD」と「スカイアクティブX」の3つのエンジンラインナップで、どこまで内燃機関の理想を追求できるか。マツダの挑戦は続きます。

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