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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

ホンダ新型「CR-V」は究極の「普通のクルマ」!?

ホンダは明日31日、国内市場に、新型「CR-V」を投入します。2016年に国内販売を中止して以来2年ぶりです。

「CR-V」は、1995年に発売されたホンダを代表するSUV(多目的スポーツ車)で、今回投入されるモデルは5代目です。グローバルで年間70万台以上を販売する世界戦略車なんですね。


※新型「CR-V」

スタイリングの印象としては、ごつくなりましたよね。街中で見かければ、存在感があるだろうなと思いました。開発責任者の永留高明さんは、「ドアのパネルやフェンダーの厚みを力強くし、面構えもきつく大きくして、安心感のある強さを出しました」とコメントしました。

5代目「CR-V」は、北米や東南アジア、中国の市場向けに、すでに投入されています。しかし、国内市場は、SUV市場が拡大しているにも関わらず、まだ投入されていなかった。今回、国内市場向けに、ガソリン車に加えてハイブリッド車、さらにホンダ車として初のハイブリッド4WDモデルを設定。さらに、ガソリン車に3列シートモデルを設け、満を持しての投入です。価格は、323万円台からです。

国内のSUV市場は盛り上がりを見せています。10年前には年間約20万台だった販売台数は、直近約50万台まで伸びている。確かに、町でもよく見かけますよね。

そのなかで、ホンダのSUVといえば、13年に発売された「ヴェゼル」です。しかし、より大きくて利益率も高い、アッパーミドルモデルの「CR-V」を、一年、いや半年でも早く投入できなかったものかと思わざるを得ません。

さて、では、後発の「CR-V」は、いかに攻めるのか。永留さんからは、意外な発言がありました。

「究極に普通なクルマ」を目ざしたというんですね。どういうことか。

「世界中の方々にお使いいただいているクルマの責任として、ことさらに尖る必要はない。世界の誰もがどんな環境で乗っても、安心で快適な移動を提供したい。つまり、誰にでも使えるストレスフリー、究極に普通なクルマをつくりたいという思いで開発しました」と、永留さんはいいます。

じつは、「CR-V」は、国や地域によって多様な人が多様な使い方をするクルマなんですね。いつでもどこでも、誰でも快適に楽しく乗りこなせるクルマであるために、「究極の普通のクルマ」を目ざすことになったといいます。

例えば、米国では子どものサッカーの送迎をする“サッカーママ”に人気があり、5割以上のユーザーが女性です。一方、中国や東南アジアでは、約9割と圧倒的に男性ユーザーが多い。尖り過ぎると偏ってしまうので、「平均点を上げる」という意味で、「究極の普通のクルマ」なんですね。国内では、旧型からの乗り換えや、ミニバンからの乗り換えなど、さまざまなユーザーが想定されています。

よくいえば万能、悪くいえば八方美人の「CR-V」は、国内SUVの激戦のなかで、どこまで存在感を発揮できるか。ホンダはそろそろ、軽自動車の「Nシリーズ」以外にヒット商品が欲しいところですよね。

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