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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

パナソニックのロボティクスへの挑戦

工場で産業用のロボットが使われるのは当然の時代になりました。現場の「自動化(オートメーション)」の次は、「自己拡張(オーグメンテーション)」だと、パナソニックはいいます。どういうことでしょうか。

パナソニックは25日、都内で「Robotics Hub 開設によるロボット開発加速の取り組み」に関する技術セミナーを行いました。


※作業者に取り付けられたロボットアーム(写真奥)を使った天井ボードのビス止め作業

「Robotics Hub」とは、パナソニックが東京と大阪に設立した、「共創型イノベーション拠点」です。千葉工業大学、東京大学、東北大学、奈良先端科学技術大学院大学、立命館大学、早稲田大学と連携し、産産、産学でロボット技術の共有化、活用を加速するといいます。

「スマート社会のなか、人に寄り添うロボティクスで、安心・快適な生活に貢献していきたい」

セミナーの冒頭、こうコメントしたのは、パナソニック執行役員生産技術担当兼マニュファクチャリング本部長の小川立夫さんです。

例えば、早稲田大学理工学術員の岩田浩康教授が発表した「第3の腕」です。天井ボードを天板に取り付けたい場合、天井ボードを固定する人と、ビス止めを行う作業者2人が必要になります。しかし、「第3の腕」であるロボットアームを音声で操作することで、1人でも天井ボードのビス止めができる。「第3の腕」は、ビス止めだけでなく、モノを掴んだり、持ち歩いたり、さまざまな用途に応用ができます。つまり、「自己拡張」ですよね。

このほか、予防医学者の石川善樹さんは、都市生活者の日常を幸せにするため、都市を歩きながら、自然のなかを歩いているような感覚を創り出す疑似体験のデモンストレーションを紹介しました。

パナソニックは近年、モノづくりをアジャイル型に変化させる取り組みを進めています。ロボットを普及させるためには、製品化や社会受容など、課題は多い。いかに開発サイクルを高速化し、次世代のロボットを速く実用化するか、「共創型イノベーション拠点」の真価が問われます。

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