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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

ホンダ、中国市場の勝算は?

中国市場の新車販売台数は、2018年に約2808万台と、28年ぶりに前年比マイナスとなりました。しかし、ホンダは今年、東風ホンダの第3工場を稼働させる予定です。

※ホンダ副社長の倉石誠司さん

1日にホンダが発表した、2018年4月から12月の累計連結売上高は、前年同期比で3.4%増の11兆8395億円、営業利益は3.2%減の6840億円でした。通期の見通しは、売上高3.2%増で従来予想を500億円上方修正し15兆8500億円、営業利益は同5.2%マイナスの7900億円で据え置きました。

気になるのは、やはり、近年のホンダの成長を支えてきた中国市場です。ホンダは、中国市場はまだ伸びると見ている。18年は、前半に起きた看板車種「CR-V」のリコールの影響が大きく、通年の販売台数は減りましたが、ホンダは強気です。

中国は豊かになってきて、地場メーカーより高価な、外資系と地場メーカーとのジョイントベンチャー企業のクルマを買える消費者が増えているといいます。

「中国における12月の販売台数は、過去最高。1月も期待通りのスタートを切れている。いま中国で売っているグローバルモデルの『シビック』『アコード』『CRーV』や現地向けのクルマも受けていて、これからさらに市場を増やせると期待しています」

会見の席上、ホンダ副社長の倉石誠司さんは、記者の質問に答えてそうコメントしました。

中国市場全体は、米中の貿易摩擦による販売不振が、昨年9月以降鮮明になっているといいます。しかし、米国車の不買運動の反動から、日本や欧州メーカーの販売は、比較的好調という側面もあります。

ホンダは、昨年後半に、広汽ホンダから現地ブランドの電気自動車「理念VEー1」を含む新車を投入、さらに今年は、東風ホンダからもEVを投入予定です。さらに、アリババ系企業と共同開発する音声認識や決済機能のあるコネクティッドカーも投入する予定です。また、車載電池は、いまやパナソニックを抜いて世界最大手のCATLと共同開発するという。果敢に攻め、成果が期待できると読んでいるからこそ、新工場の稼働にも自信があるわけです。

中国の自動車市場は、前年比マイナスだったといっても、年間約3000万台の市場です。さらに、コネクティッドカーや自動運転、カーシェア、電動化などの次世代技術の導入が、もっとも速く進む市場の一つでもあるでしょう。

中国には政治リスクがつきものとはいえ、自動車メーカーとしては、注力しないことによるリスクも高いのは間違いない。ホンダの強気は、功を奏すでしょうか。

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