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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

日本の科学技術力低下に歯止めはかかるか

日本の科学技術力低下の理由の一つに、若手研究者のサポートがうまくいっていないのではないかという指摘があります。どうすれば、若手研究者が自由な発想のもとに研究を続けられるのか。若手研究者が挑戦的なテーマに取り組むには何が必要なのか。

 

公益財団法人「サントリー生命科学財団」は1月31日、研究奨励助成事業の一つとして、「サントリーSunRiSE」を設立し、総額5億円を支援することを発表しました。生命科学分野における若手研究者10人に対し、一人あたり5000万円(年間1000万円×5年間)を支援します。

「普通は、年間300万円以下というのがほとんどですが、年間1000万円を5年間、自由に使えるということは、若い人にとって大きいと思います」と、京都大学名誉教授で、「サントリーSunRiSE」運営委員長の中西重忠氏は、記者会見の席上、述べました。

破格の金額もさることながら、「サントリーSunRiSE」の特徴は、資金の使途や期間の制限をできる限り排除していることです。

「資金は何に使ってもいい。つまり、非常に柔軟性があるんですね」と、中西氏は述べましたが、しばりをなくしてこそ、研究者は自由な発想で夢のある研究にチャレンジすることができるんですね。

「かりにいま、5000万円の支援金を手にしたら、何に使いますか」という記者からの質問に対して、運営委員メンバーからは次のような声が上がりました。

「正直、嬉しくて、眠れないでしょうね」というのは、東京大学名誉教授で、運営委員メンバー長野哲雄氏です。

「ポスドクを一人雇って、あとは経費に使います」というのは、京都大学iPS細胞研究所所長・教授で、運営委員メンバーの山中伸弥氏です。

日本の科学技術力の低下には、新分野への挑戦が少ないという指摘がありますが、その意味で、「サントリーSunRiSE」は、公的な研究費ではむずかしい〝夢〟のある研究、そして新分野への挑戦を支援することにつながるのではないでしょうか。

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