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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

新型「キックス」、日産がようやく日本に帰ってきた

日産自動車は24日、コンパクトSUV「キックス」の発表会をオンライン上で行いました。「キックス」は、日産にとって日本市場では10年ぶりのブランニューモデルとなります。ようやく日産が日本に帰ってきたといえそうです。

※日産の新型「キックス」

新型「キックス」は、日産独自の電動パワートレーン「e‐POWER」を全車に搭載するほか、日産の運転技術「プロパイロット」、エマージェンシーブレーキ、踏み間違い防止機能の3つを搭載した日本独自仕様です。

低迷している日本市場を立て直すための重要車両であることは間違いありません。

振り返ってみれば、日産は90年以降、グローバル投資を優先し、ゴーン体制になってからは、日仏連合で世界販売1千万台の大台を目指して、販売台数を優先する拡大路線を敷いてきました。

いきおい、日本向けの新車開発はとどこおり、2011年以降は新車発売が大幅に減っていました。日本市場軽視ですね。

新社長の内田誠氏は、5月28日に発表した事業構造改革計画「日産NEXT」の中で、日本、中国、北米をコアマーケットとし、日本国内にあらためて力を入れると宣言しました。

それだけに、久々の新型車となる「キックス」には、大きな期待がかかっています。

「価格が200万円台であることからも、日本市場で主力のクルマになる」と、星野氏は新型「キックス」への意気込みを語りました。

今回のオンライン発表会は、横浜のグローバル本社、デザインセンター、先進技術開発センサーの3か所を中継して行われました。自動運転技術や電動化技術など、日本発の技術で日産の再生を牽引したいという思いのあらわれでしょう。

また、星野氏はオンライン会見で、「このままで、終われるか」という新型「キックス」の広告を大写しにし、日産の反転攻勢の意思を強調しました。

日産は、2023年度までに日本で新たに電気自動車2モデル、e‐POWERモデル4車種を投入する計画です。

日産は日本市場を立て直せるか。新型「キックス」は、その試金石になりそうです。

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