日産は立ち直れるのか。28日、オンラインでの決算会見にのぞんだ日産自動車社長兼最高経営責任者(CEO)の内田誠氏は、「たいへん厳しい一年になる」と述べました。
※社長就任会見での内田誠氏
日産が発表した2020年4~6月期の連結決算は、売上高が前の年の同じ時期に比べて50%少ない1兆1741億円、最終損益は2855億円の赤字でした。
日産はまた、これまで未定としていた2021年3月期の業績予想を発表し、連結最終損益が6700億円の赤字になりそうだとしました。2期連続で巨額の最終赤字となる見通しです。
大幅な赤字が見込まれる要因には、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で世界的に自動車の販売が落ち込んでいることがあるのは確かですが、それ以上に大きいと見られるのが、カルロス・ゴーン元会長の拡大路線のツケですよね。
ちなみに、昨日、アライアンスメンバーである三菱自動車の中期経営計画の発表の場で、スポーツ用多目的車(SUV)「パジェロ」の撤退理由について問われた最高経営責任者(CEO)の加藤隆雄氏が「新型コロナは関係ない。拡大戦略にムリがあった」といい切ったのが印象的でした。
日産にしても、三菱自動車にしても、コロナ禍による影響はさておき、それ以前の問題として、ゴーン元会長の拡大路線のツケによる収益力低下に手を打っていかなければなりません。
日産はこの5月に発表した構造改革「日産ネクスト」の計画を進め、立て直しを急いでいますが、果たして思惑通りにいくかどうか。
「厳しい環境ではありますが、復活に向けて妥協せず、覚悟をもって取り組んでいきます」と、内田氏は述べました。
いま、日産がやらなければいけないのは、「日産ネクスト」の確実な実行です。まずは、これをやりきり、成長軌道に戻していかなければいけない。
問題は、「日産ネクスト」が絵に描いた餅になるのではないか…と、多くの人が疑いの目で見ていることです。もっといえば、日産を信じかねていることです。
果たして、内田氏にその評をぶっ飛ばす実行力がありやなしやです。