新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、自動車業界は大きな打撃を受けています。そうした中で、ホンダは21年3月期の営業利益が2000億円の黒字になるとの見通しを発表しました。その勝算はどこにあるのでしょうか。
ホンダが5日発表した2020年4~6月期の連結決算は、売上高が前の年の同じ期に比べて47%減の2兆1237億円、営業損益は1136億円の赤字、最終損益は808億円の赤字でした。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、世界的に需要が減少し、すべての拠点で生産や販売活動に影響を受けたことが、減収減益の理由です。
「ロックダウンなどで生産、販売がまったくできなかったことが、販売減、収益源のいちばんの要因」と、代表取締役副社長の倉石誠司氏はオンライン会見で説明しました。
四輪事業は、とくに米国、日本、インドで販売が減少しています。
これまでであれば、四輪事業の不振を二輪事業がカバーしてきました。ホンダの二輪事業はアジアに強みをもち、高い収益性をもっていますからね。
ところが、今回はその成功パターンが必ずしも通用しません。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、インド、インドネシアの二輪の販売台数が落ち込んでいるからなんですね。
新型コロナの動向が依然不透明な中で、業績回復の糸口をどこに見出せばいいのか。
「いまのような状況が続くのであれば、現状としてそれほど悪くなるという感じはないが、元に戻るのはむずかしい」と、倉石氏は、コロナ禍における今後の見通しについて述べました。
21年3月期の連結業績予想は、売上高が前期比14.3%減の12兆8000億円、営業利益が68.4%減の2000億円です。
日産自動車、マツダ、三菱自動車が今期の赤字見通しを明らかにした中で、ホンダは今期2000億円の黒字確保を計画しているんですね。また、四輪の世界販売台数は6.1%減の450万台にとどまると予測しています。
「強い二輪で引っ張るが、四輪の挽回も含めている」と、専務の竹内弘平氏は述べました。
期末に向けて、どこまで四輪の販売を回復できるか。業績回復の糸口はそこにあるといえそうです。