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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

GAFAMと勝負できるのはソニーだけ

「スパイダーマン」シリーズのヒットなど、ソニーのエンタメ事業が好調です。1月31日には、米ゲーム会社バンジーを36億ドル(約4100億円)で買収すると発表しました。ソニーが積極投資できるのは、エンタメ事業の収益力があるからです。いまや、世界市場で圧倒的な存在力を見せつけるGAFAMに食い込める日本企業は、ソニーのほかにありません。

ソニーグループが2日に発表した、2021年4~12月期の連結決算は、売上高が前年同期比13%増の7兆6575億円、営業利益は20%増の1兆637億円でした。

また、2022年3月期の連結営業利益は、前期比26%増の1兆2000億円になる見通しだと発表しました。

ソニーの業績が好調なのは、ゲーム、映画、音楽からなるエンタメの収益が伸びているからですね。

先月31日には、ゲーム事業を手掛けるソニー・インタラクティブエンタテインメントによる米ゲーム会社のバンジーの買収が発表されたばかりですが、バンジー買収に、ソニーのゲーム事業では最高額となる36億ドル(約4100億円)を供出できるのは、ソニーの収益力が確実に高まっているからとみていいでしょう。

「バンジーのさまざまなプラットホームにゲームを展開する能力を学びたい」と、2日、副社長の十時裕樹氏は述べました。

ゲームの世界はいま、専用機とパッケージソフトの時代から、スマートフォンやパソコンで楽しむオンラインゲームが主流になりつつあります。ソニーは、バンジーの買収によって、多様な端末に対応したソフト開発技術を手に入れようとしているんですね。

加えて、ソニーがバンジー買収を発表したのは、海外の巨大企業と真っ向勝負しようとしているからにほかなりません。

すでに、マイクロソフトはゲーム大手アクティビジョン・ブリザードの690億ドル(約7兆8800円)での買収を発表しています。ゲーム分野でのサブスクリプション型サービスの強化と同時に、IT大手が注目する仮想空間「メタバース」への本格参入を狙っているといわれます。

ソニーは、GAFAMに勝てるのか。少なくとも、GAFAMと正面切って競争できる日本企業は、ソニーをおいてほかにないといっていいでしょう。

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