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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

マツダ、ロータリーエンジンを発電機に

「ロータリーエンジンの復活を待っています」――。2019年10月、慶應義塾大学矢上キャンパスで開かれた日本自動車工業会主催の「大学キャンパス出張授業」。一人の学生が、講演者のマツダ社長、丸本明氏にそう語りかけました。

マツダといえば、ロータリーエンジン。1967年に世界初のロータリーエンジン搭載車「コスモスポーツ」を発売し、2012年の「RX-8」の生産停止までロータリーエンジン車を製造していました。

ロータリーエンジン車には、根強いファンがいます。新車へは搭載されていないものの、いまもマツダがロータリーエンジンの生産を継続しているのは、世界のロータリーエンジン愛好者の期待に応えるためです。

また、ロータリーエンジンは優れた動力性能と環境性能を両立できることから、マツダは電気自動車の分野においてもそのメリットを発揮できると考えていました。

1月13日に欧州で発表した、発電用ロータリーエンジン搭載のPHEV「MX-30eスカイアクティブR-EV」がそれです。ロータリーエンジンを発電機として使い、モーターで駆動するシステムです。

EVの課題は、航続距離が短いこと。電池の搭載を増やせば、航続距離を伸ばせますが、その分、車両価格が高くなってしまいます。この問題を、マツダはロータリーエンジンによる発電でカバーしました。

さて、冒頭の学生の「ロータリーエンジンの復活を待っています」という声に、社長の丸本氏は、「経営をしっかりさせれば、ロータリーエンジンの復活はできると思う」と答えていましたが、実際、マツダの業績は上向いてきています。

となると、発電用ではなく、ロータリーエンジンで駆動するスポーツカーの復活もいよいよか……と思いたくなります。

いずれにしろ、優れた動力性能と環境性能を両立できるロータリーエンジン。本当に必要とされるのは、むしろこれからといえそうです。

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