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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

トヨタ、佐藤次期社長への期待

トヨタ自動車は13日、4月1日に社長に就任する佐藤恒治執行役員が東京都内で記者会見を開き、新たな経営体制を発表しました。初の記者会見とあって、佐藤氏はいつになく緊張している様子でした。フレッシュな印象を受けました。

佐藤氏は、「新たな経営チームのテーマは『継承と進化』」と語り、次世代の電気自動車(EV)の開発を推進することを明らかにしました。26年を目標にEVの設計や事業モデルを見直すといいます。

4月1日からの新しい執行体制も発表しました。近健太氏、前田昌彦氏、桑田正規氏の3人の副社長は退任し、重点3事業「次世代実験都市」「アジア戦略」「電動化」のそれぞれを現場指揮します。商用車を統括する中嶋裕樹氏と事業や販売を担当する宮崎洋一氏が新たに副社長に昇格します。

副社長となる中嶋氏は60歳、宮崎氏は59歳です。53歳の佐藤氏とは少し年齢の差を感じました。

佐藤氏は、歴代のトヨタ社長としては異例の若さです。若い佐藤氏の抜擢は、トヨタが変わろうとする姿を世の中に示しました。トヨタ社内だけでなく、日本をとりまく空気を変えました。佐藤氏がどんな経営チームをつくっていくのかはまだよくわかりませんが、若い佐藤氏が、巨艦トヨタをただちにうまくコントロールするのは大変なことです。会長となる豊田章男氏をはじめ、経営チームのサポートが必要なのは当然です。

「新社長には、一人で経営しようと思わずに、チームで経営してほしいと伝えました」と、章男氏は1月のトップ交代会見で述べています。ともあれ、佐藤氏の肩には、日々ずしりと重圧がかかっていくでしょう。

自動車業界が直面する幾多の課題を乗り越え、新しい自動車会社の姿を示すことができるのは、若い世代だと思います。その意味で、世間は佐藤氏に期待を寄せるでしょう。どんな社長になるのか。まだその姿は見えてはきませんが、トヨタの未来には日本の浮沈がかかっているだけに、社長交代後のトヨタに厳しい目が注がれるのは覚悟しなければいけないでしょう。

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