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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

なぜ、自動車メーカーの不正は絶えないのか

就任早々、いきなり難問に遭遇です。日本自動車工業会の話です。

日本自動車工業会は19日、都内のホテルで西川廣人さんの新会長就任会見を開きました。日本の自動車の信頼が失墜するなかで、西川さんの責任は重大だといわなければなりません。
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ご存じのように、三菱自動車が軽自動車4車種62万台で、燃費を実際よりよく見せる不正を行っていたほか、スズキも国が定める方法とは異なる形で燃費データを測定していたことが明らかになりました。

消費者からはこれまでも、カタログ値通りの燃費が出ないなどの苦情が寄せられており、燃費基準そのものが疑問視されていましたね。

燃費不正の拡大は、開発競争が激化し、燃費目標が引き上げられていったことが一因だといわれています。しかし、かりに過度な競争があったとしても、自動車メーカーが消費者の信頼を裏切る行為に走ったことは大問題ですよ。

「燃費に限らず、いろいろな分野で競争があり、さらに競争は厳しくなります。そのなかで仕事をするのは当然であり、不正は論外です」と、西川さんは、自工会会長就任記者会見の席上、厳しい口調で語りました。その通りですね。

日本車の品質はこれまで、世界から高く評価されてきました。今回の不正行為は、日本車の信頼の失墜につながりかねませんね。

日本車に対する信頼をどう取り戻すか。それは、自動車だけでなく、日本の製造業そのものの不信につながる恐れがあるだけに、自動車業界が危機感をもって取り組まなければいけない問題です。

その意味で、自動車メーカーが加盟する日本自動車工業会が、この事態をいかに受け止め、どのように対処するか。その役割は小さくないでしょう。

「競争がどんなに厳しかろうが、不正は不正であり、なくすような取り組みを行うのが一般的だろう」として、西川さんは業界全体として再発防止を徹底していく考えを示しました。

三菱自動車の相川哲郎社長は、自工会の副会長を辞任し、会見後に開かれた懇親会の会場に三菱自動車、スズキの首脳陣と関係者の姿は見られませんでした。

それにしても、どうして世界中で、自動車メーカーの不正が続発するのでしょうか。

ドイツのフォルクス・ワーゲン、米国のGM、そして日本の三菱自動車、スズキ……。自動車メーカーはいま、次世代環境対応車、自動運転、衝突安全など、巨額の研究開発費用が肩に重くのしかかっています。

つまり、グローバルでの技術開発競争が激化しており、よほど収益をしっかり稼ぎ出していないと、競争から脱落します。そこに、不正の根本的な温床があるように思います。

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