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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

「ホンダセンシング」で事故ゼロ社会へ

ホンダは今日、安全説明会を開き、安全運転支援システム「ホンダセンシング」を
年内に発売する新型「レジェンド」に搭載すると発表しました。

「歩行者事故と自分の車の車線逸脱。この二つを防げれば、
自動車事故を大幅に減らすことができます」
と、本田技術研究所 四輪R&Dセンター第12技術開発室室長の
林部直樹さんは語っています。
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「ホンダセンシング」は、ミリ波レーダーと単眼カメラで構成されます。
レーダーとカメラが、歩行者を正確にとらえるなどして事故を予測し、
より高い事故回避へと運転を支援するのです。

例えば、世界初となる「歩行者事故低減ステアリング」は、
ミリ波レーダーと単眼カメラで歩行者を検知して、歩行者が車線に逸脱し、
車との衝突が予測された場合、警報とステアリング制御で回避を促します。

このほか、「衝突軽減ブレーキシステム(CMBS)」は、
カメラが物体の属性や大きさを認識し、ミリ波レーダーが
対象物体の位置、速度を検知します。
そして、音、表示、体感警報でドライバーに注意を促し、
衝突回避を支援します。

また、「路外逸脱抑制機能」は、カメラで走行車線を検知し、車両が車線を
逸脱しそうな場合、ステアリング振動と表示で警告を行うとともに、
車線内に戻すようにステアリングを制御します。

なぜ、「ホンダセンシング」がより高い精度で事故を回避できるのか。
その理由は、レーダーの性能とカメラの識別能力の向上にあります。

ミリ波レーダーは、対象物体の位置や速度だけでなく、
検知がむずかしい歩行者まで検知対象を拡大しました。
単眼カメラは、車両前方約60メートルまでの歩行者や物体の
属性や大きさの識別が可能です。
そして、レーダーとカメラを統合的に処理する計算能力を向上させ、
認識精度を従来比約4倍に高めています。

よく知られるように、環境認識のセンサーには、ミリ波レーダーのほか、
マイクロ波レーダー、レーザーレーダー、赤外線センサー、超音波センサー、
光学カメラなどがあります。
このうち、ミリ波レーダーやマイクロ波レーダーは、検知距離が長く、
先行車両の動きの検知に優れるという特徴があります。
また、ミリ波レーダーは、雨や霧など天候の影響を受けにくいという
メリットもあります。

ただし、ミリ波レーダーの課題はコストです。
ホンダは、「ホンダセンシング」を新型「レジェンド」から搭載し、
今後、順次、搭載車を拡大していくといいます。
普及車にも広く搭載していくには、低価格化が必須です。

国土交通省所管の独立行政法人、自動車事故対策機構は10月23日、
自動ブレーキなどの性能の評価結果を公表しました。
行政が車の事故を防ぐ技術を評価するのは、世界でも例がありません。
気になるのは、先進安全車の上位にあがったのが、
富士重工業の「レヴォーグ」、トヨタの「レクサス」、日産の「スカイライン」
といった高価な車だということです。

「将来は、通信技術や自動運転技術と組み合わせて、事故ゼロ社会に向けた
次のステージにのぞみたいと考えています」
と、林部さんは語っています。
事故ゼロ社会に向けては、ミリ波レーダーの性能向上と同時に、
低価格化が課題になってくるのはいうまでもありません。

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