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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

パナの電動アシストマウンテンバイクは成功するか

日本に新しい市場を創造できるかどうか。パナソニックの電動アシストマウンテンバイク(e-MTB)への挑戦です。

※パナソニックサイクルテック社の電動アシストマウンテンバイク「XM1」と片山社長

パナソニックは4日、電動アシスト自転車「XM1」の発表会を行いました。

パナソニックはこの4月、“シニア向け家電”シリーズとして、「Jコンセプト」の電動アシスト自転車を発売しましたよね。“ママチャリ”ならぬ“ババチャリ” “ジジチャリ”ですよ。

今回発表されたのは、太くてゴツゴツしたタイヤに頑丈なフレームをもつ、e-MTBです。

初年度の目標販売台数は200台。ずいぶん控え目の数字ですよね。それはそのはず価格は税抜きで33万円。パナソニックの電動アシスト自転車の中では最高価格帯に位置します。

「ヨーロッパの業界平均価格が24万円程度といいますから、e-MTBとしては若干高めですが、妥当な値段です」

と、パナソニックサイクルテック株式会社の社長片山栄一さんは語りましたが、どうでしょうか。

では、なぜ、いま電動アシストマウンテンバイクなのか。

ヨーロッパでは、e-MTBがスポーツEB(電動アシスト自転車)市場の20%を占めます。これに対して日本は2%。伸びしろはまだまだあるとみていいでしょう。

今回、パナソニックはe-MTBに参入するにあたり、2つのキーテクノロジーを搭載しました。「スポーツドライブユニット」と「セミインテグレーテッドバッテリー」です。

「スポーツドライブユニット」は、マウンテンバイクに適した滑らかで力強いアシストフィーリングを実現する技術です。バッテリーと自転車のフレームを一体化した「セミインテグレーテッドバッテリー」は、スポーツバイクらしいフォルムを実現しました。

このほか、路面からの衝撃や振動を吸収する「フロントサスペンション」、走行速度や走行距離を表示する「センター液晶ディスプレイ」、ディスクブレーキを前後に搭載し荒天時でも安全な「油圧ディスクブレーキ」など、天候や路面状況を問わない爽快な走りを可能にしたんですね。

ちなみに、国内の電動アシスト自転車市場の規模は60万台弱。パナソニックのシェアは4割強でトップです。パナソニックはe-MTBでさらにシェアを上げられるかどうか。

カギは、繰り返しになりますが、e-MTB市場を日本に創造できるかどうかです。さしあたっての課題は、日本のユーザーにe-MTBの楽しみ方を提案できるかどうかにかかっているといえるでしょうね。

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