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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

ホンダ「クラリティPHEV」は売れるのか

ホンダは19日、プラグインハイブリッド車(PHV)の「クラリティPHEV」を発売しました。これまで、ホンダは国内で「アコード」のPHVモデルのリース販売は行っていましたが、一般販売するPHVは初めてです。


※ホンダ「クラリティPHEV」

PHVは、家庭用電源など外部から充電可能なハイブリッド車(HV)です。HVと電気自動車(EV)の“いいとこどり”と表現されることが多いですよね。通常は、HVのようにモーターとエンジンを使い分けながら走行し、バッテリーが切れればエンジンだけで走行可能。つまり、電池切れで走行できなくなる心配はありません。

今回発売された「クラリティPHEV」は、5人乗りの中型セダンです。電気だけで走るEVモード走行距離は114.6kmと、「アコード」のPHVモデルの約3倍。トヨタ「プリウスPHV」68.2kmと比較しても、1.7倍近い距離を走れます。これは画期的といっていい。

また、「クラリティPHEV」のEV最高速は時速160kmといいますから、通常の運転はEVモードだけで問題ないといえそうです。そうなると、ガソリンの充填はほとんど必要ないですから、維持費も抑えられることになります。

EVを買いたいけれど、充電インフラの整備や電池切れの心配がぬぐい切れない人には、PHVは一つの選択肢になります。では、「クラリティPHEV」は、売れるのか。普及に向けて、残された課題は、価格です。588万600円(税込み)からで、補助金は20万円ほどですから、まだ高い印象ですよね。

PHVへの関心は、いま、世界的に高まっています。将来的には、EV以上に普及するという予測もあります。

次世代環境車の規制は厳しくなり、開発競争は激化している。中国や米カリフォルニア州を中心に、規制への対応から、次世代環境車の本命はEVという流れが生まれつつありますが、しかし、充電インフラや電池の供給を考えると、世界中のクルマが、すぐにすべてEVになることはあり得ません。

トヨタやホンダは燃料電池車(FCV)の開発も進めていますが、インフラ整備や水素のコストの観点から、普及はEVよりさらに先といわれます。その点、HV以上、EV・FCV以下のPHVは、現段階で、消費者にとっても、メーカーにとっても、もっとも現実的な“解”なんですね。

実際、トヨタは2030年時点で90%を電動車にする目標ですが、うちEV、FCVの導入目標は10%です。つまり、残りの80%はHVとPHVということです。ホンダは同30年に3分の2を電動車にする目標を掲げていますが、PHVとHVで全体の50%くらいとしています。

しかし、これまで、国内ではPHVは普及が進んできませんでした。というのは、HVの普及が進んでいる日本は、HVからPHVに乗り換える必要性を感じにくい。価格差を考えると、メリットが見えにくいんですよね。

まあ、従来、国内のPHVは、トヨタの「プリウスPHV」と、三菱自動車「アウトランダーPHEV」の2車種のみでした。ホンダ参戦によってPHV市場は、少しは活気が出るのは間違いないでしょう。

この夏の猛暑を考えても、世界の温暖化対策はまったなしの急務であり、そのためにも、自動車メーカーは技術力で環境規制に対応し、エコカー普及を確実に進めていく以外に、選択肢はないですよね。

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