「働き方改革」をめぐっては、さまざまな意見があります。しかし、個人、企業、そして国全体のいずれにとっても、「働き方改革」が求められているのは、間違いありませんね。
あらためて指摘するまでありませんが、まず、国内は少子高齢化、労働人口減少が続くなか、「働き方改革」によって生産性を高めることなしに、現状の日本の生活水準を維持していく方法はないでしょう。個々の働く人たちのためには、「働き方改革」によって、過労を防ぎ、働きたい人は存分に働ける環境を整える必要がありますね。
企業から見ても、生き残っていくために、生産性を高めて競争力を向上する必要があります。人手不足のなか、まずは優秀な人材にきてもらわなくてはいけない。それには、働く人たちに「働きがい」を提供し、多様性を受け入れて、優秀な人材に選んでもらえるような働きやすい環境を整える必要があります。これが、まあ、正しい企業の「働き方改革」ではないでしょうか。
昨日、ある出版社の編集者と雑談で、「もはや、都心に大きなオフィスを構える必要はない」という話をしました。彼曰く、ノートパソコンがあれば、メールや原稿のやりとりは場所を問わない。喫茶店、コワーキングスペース、自宅など、どこでも働けるし、むしろ会社で仕事をするよりときに効率がいいというのです。その通りだと思いますね。
今日の日経新聞の「『脱時間給』どう生かす」と題する記事では、サントリーHD社長の新浪剛史さんの「出社せずにできることは多い。姿が見えないからサボっているというのは過去の発想だ」というコメントがありました。
これも、その通りだと思いましたよ。成果で測れば、サボったかどうかはすぐにわかる。家で成果を出せるなら、わざわざ混雑する電車に乗って出社し、生産性の低い仕事をする必要はない。多様な働き方を受け入れれば、企業は優秀な人材に選んでもらいやすくなります。
ICT技術やネットワークが発達した時代におけるもっとも効率のよい働き方を目指して、現状は、試行錯誤の段階といったところでしょうかね。