開催中の東京モーターショーでは、日産やホンダなどがEV(電気自動車)の新型車を披露しています。エンジン技術にこだわるマツダも、ついに量産EVの投入に踏み切りました。
※「MX-30」とマツダ社長の丸本明氏
マツダは、東京モーターショーで同社初となる独自開発の量産EV「MX‐30」を世界初公開しました。5人乗りの小型SUVタイプで、一回の充電で走行可能な航続距離は、約200キロメートルです。
CO2規制が強化される欧州を皮切りに、20年に市場投入します。
とことん内燃機関にこだわってきたマツダが量産EVを発表したことで、いよいよマツダもEVの流れにあらがえなかったのか、という声が聞こえてきそうですが、そう単純な話ではないようです。
量産EVは「マルチソリューションの選択肢の一つ」と、マツダ社長の丸本明氏は、23日の東京モーターショーのプレスブリーフィングで明言しました。
マツダがあくまでもEVを選択肢の一つとしているのは、必ずしもEVだけが地球環境保護の最適解ではないと考えているからです。
実際、EVは走行時にはCO2を排出しませんが、石油の採掘から発電、走行までを含めて考えた場合、CO2排出量はエンジン車よりも多くなるのではないかという考え方が根底にあります。
また、将来的にはEVが次世代環境車の本命といわれているものの、電池などのコスト負担が重く、自動車メーカー各社は赤字覚悟でEVを生産しているのが現状なんですね。
したがって、欧州などでの環境規制に対応するため、今回、マツダはEVを投入しますが、内燃機関の効率改善に力を入れていく、これまでの路線は変わりません。
まだまだ課題の多いEVは、普及に向けた技術革新が必要です。そこで、マツダ、トヨタ、デンソーは、EVの共同技術開発を進めるため、2017年10月、「EV C.A.Spirit」を設立しました。
「MX‐30」は、EV C. A. Spiritの設立以前から開発が進められていました。したがって、「MX‐30」は、マツダがすべてを独自で手掛けたEVです。
EV C. A. Spiritの技術を使ったEVは、その次のモデルからになります。