マツダは14日、 2030年に生産する車両に占めるEV(電気自動車)の比率を25%程度に引き上げると明らかにしました。マツダといえばこれまで、かたくななまでに理想の内燃機関を追求しつづけてきたことで知られます。脱炭素化に向けた取り組みが強く求められるなか、マツダは環境対応車戦略を見直すのか。とうとうEVに舵をきるのか。内燃機関はどうするのか。
マツダが14日に発表した、2021年3月期の業績は、売上高が前年比16%減の2兆8821億円、営業利益は88億円の黒字を確保しました。
「構造改革の成果が出始めている。ただ、改善は十分ではない。手をゆるめない」と、社長の丸本明氏は述べました。
黒字転換の要因には、固定費の削減や研究開発費の効率化などがあります。開発ではシミュレーション技術を活用し、効率化を進めてきました。マツダの収益体質は改善しつつあります。
また同日、丸本氏は、2030年に生産する車両に占めるEV(電気自動車)の比率を従来計画の5%から25%程度に引き上げることを明らかにしました。
〝スモールプレーヤー〟を自負するマツダにとってみれば、EV化を進めるといっても容易ではありません。
「2030年における生産の4分の1は内燃機関を搭載しないEVにしますが、残りの4分の3は内燃機関を搭載する電動車両になります。マルチソリューション戦略は変わりません」と、丸本氏は説明しました。
マルチソリューション戦略とは、国や地域のエネルギー政策や発電構成に応じたパワーユニットを適材適所に展開する考え方です。マツダは、ロータリーエンジンのコンパクトかつ出力の高さを活用して、「マルチ‐xEV」化を進める計画を打ち出しています。
脱炭素化を目指すには、EV比率の引き上げは避けられない。しかし、マツダは内燃機関へのこだわりを捨てていない。マツダは正念場を迎えています。