トヨタ自動車と裾野市は5日、地元で建設中の末来都市「ウーブン・シティ」に関する説明会を開き、地域一体のまちづくりを進めていく計画を明らかにしました。トヨタが東富士工場跡地で開発を進める「ウーブン・シティ」。自動運転などの先進技術やサービスを実証する末来都市です。
※ジェームス・カフナー氏
トヨタの取締役で、ウーブン・シティの建設を進めるウーブン・プラネット・ホールディングスの最高経営責任者(CEO)を務めるジェームス・カフナー氏は5日、裾野市主催のまちづくり説明会において、2024年か25年まで工事を続け、その後開業すると「ウーブン・シティ」の建設計画について語りました。「ウーブン・シティ」は今年2月に着工、現在、基礎工事が進められています。
注目したいのは、「ウーブン・シティ」が、ハード先行のこれまでのまちづくりとはまったく異なるアプローチで進められることです。つまり、「ソフトウエア・ファースト」のまちづくりです。デジタルを先につくり、そのうえでどのようなリアルの都市をつくるかを構想していくんですね。
なぜ「ソフトウエア・ファースト」のまちづくりなのか。
まったく新しい都市を開発するには、膨大な試行錯誤が必要になります。いきなりリアルな道路や建物をつくってしまっては身動きが取れなくなる。そこでデジタルの特性を生かして高速で試行錯誤を繰り返し、その結果をもとにリアルをつくることで、開発効率とスピードを最大化しようという狙いなんですね。
まちづくりの手法をアップデートするのが、デジタルツインです。
まちづくりの主役は、あくまでもそこに住む人です。住民の声を聞きながら、自動運転やロボットなどの最先端技術を実証実験し、暮らしやすい未来の都市をつくっていく計画です。
「ウーブン・シティ」では、水素を活用したカーボンニュートラル・シティの実現に挑戦するほか、モビリティ、農業、ヘルスケアなどにも取り組み、サステナブルで健康的な未来の都市生活をサポートします。
「若い人には、どのような問題を解決したいかを問いたいと思います。私たちは、その課題を解決したい」と、カフナー氏は述べました。
トヨタは、「ウーブン・シティ」のまちづくり手法を世界に輸出することを計画しています。日本発の新たなまちづくりの手法の発信に期待が高まります。