ダイハツ工業は20日、新たに試験不正が発覚したことを受けて、国内外の全工場で自動車の出荷を停止すると発表しました。
不正を加速させた原因として、過度なコスト削減があげられていますが、思い当たるのは、2007年に稼働したダイハツ九州大分中津第二工場の「SSC(シンプル・スリム・コンパクト)化」です。
工場の建屋面積、設備投資額、工程数を大幅に削減することで、低価格な軽自動車で収益を出すことを狙った同工場は、当時、自動車業界でも注目の的でした。見学に訪れたホンダの当時のトップから「本当に驚いた。とてもマネできるものではない」という声があがったのを覚えています。
今回、第三者委員会が公表した調査報告書によると、2014年以降、過度に短期間の開発日程が設定されるケースが増えたことを背景に、不正が蔓延するようになったとされますが、「SSC化」のような設備の簡素化や作業の集約化もまた、不正を引き起こす背景になっていたのかもしれない、と。
少なからず影響はあったのでしょう。